#プロメア の映像が圧倒的なので早くもう一回観に行きたい(ネタバレなし)
昨晩『プロメア』を観てきた。グレンラガン、キルラキルのタッグが送る劇場映画ということ以外は情報を入れず、Twitterで頻繁に表示された広告も動画を敢えて再生してこなかったのだけど、情報を入れずに観て「プロメア最高!」と思えたのでストーリーに触れずに、私が特に楽しめた映像体験について感想を書きたいと思う。
圧巻の映像体験
まず、本編が始まってから10分くらいのアクションシーンが圧巻だった。アニメの手法には詳しくないけど、「これは作画どうなってんの?!」と頭の中にずっと浮かびっぱなしだった。視点が目まぐるしく動き、キャラクター躍動するのはアニメならではのスピード感と展開で観ていて飽きない。飽きないどころか、一気に世界に引き込まれた。アクションシーンは全編を通して何度も見せ場があるのだけど、そのたびに「すげー!」という気持ちが止まらなかった。
これに加えて特に良かったのは、諸々の表現の抽象さと斬新さ。漏れ出す光が線で描かれていたり、実写映画だとレンズに円の重なりで写る光の輝きが四角形で表現されていたりと、様々なことが独特の手法で抽象的に表されている。煙は塊のように表され、炎もそれだけで見たら炎とは分からない何かなのだけど、動いているとそう見えるのだから不思議だ。そしてこれが『プロメア』の得も言われぬ世界観を織りなしていて、見事。
そして多くのシーンでもこうした表現やエフェクトが過剰で、多幸感溢れる映像が続くのが最高だった。当然好みはあると思うのだけど、ここまでやってもらえると私はめちゃくちゃ嬉しい。
予告編の冒頭10秒くらいはネタバレがないので、これを見ると描写がどうなっているのか実際に見て分かると思う。
抽象的で独特な背景
背景については、例えば新海誠映画で見るリアルな描写とは全く異なり、基本的には抽象的な表現が貫かれていた。例えば街中のビルは画一的な直線で描かれていて、都市のビル群の無機質さを表現しているとも言えるだけど、色は明るくCGっぽいのっぺりとした質感になっているので、ただ無機質なだけではなくて柔らかい印象もあるユニークな雰囲気を全体的にまとっている。
遠景はさらに抽象的で色(影)と図形でしか表されない。今までこの手の表現をするアニメを私は観たことがなかったので、衝撃を受けた。「こういうのアリなんだ」という気持ちと、「こういうの欲しかった!」という喜びがせめぎ合いつつも喜びが勝って観ていて心から楽しかった。
個人的にはTishk Barzanjiのような雰囲気もあって魅力的だった。Tishk Barzanjiは、いわゆるVaporwave的なので方向性は違うのだけど、抽象化と影の使い方やグラデーションもそれっぽいなあと。
自由でカッコいい文字表現
『キルラキル』の時も文字へのこだわりは感じられたけど、本作ではさらに進んでいる。ぶっといアルファベットの前に勢いのある日本語文字が書かれているのが画面全体に表示されるのだけど、この文字の出し方がカッコいい。
文字が劇中の空間にそのまま配置されたり、キャラクターの動きに合わせて文字が動いたり、一部のシーンではダイナミックに表示された文字がそのまま劇中世界のモニターに写っていたりと自由で、ただただカッコいいという言葉しか出てこない。
文字にこだわる映像作品は、良い。
書いてみたものの、映像の良さは文字では伝えづらい!
なので、気になった人は劇場へ足を運ぶことをオススメしたい。大きな劇場スクリーンで観る理由がある迫力のある映像だし、良い映像を観るときは音も大音量の方が臨場感が増すので、どうしたって劇場で観る価値があると言えると思う。私も近いうちにもう一回観に行こうと思う。