ゲインオーバー

MUGA, I am.

鑑賞後の後味がやっぱりアレな『悪の教典』を観てきました



R-15ということもあり、シネコンの中でもあまり大きくないスクリーンでやっていましたが、レイトショーの割には人が入っていました。

あらすじ

蓮実聖司(伊藤英明)は、生徒から“ハスミン”という愛称で呼ばれ、絶大な人気を誇る高校教師。学校やPTAの評価も高く、いわば「教師の鑑」とも呼べる存在だったが、それはすべて仮面に過ぎなかった。彼は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)だったのだ。蓮実は自らの目的のためには、たとえ殺人でも厭わない。学校が抱える様々なトラブルや、自分の目的の妨げになる障害を取り除くために、いとも簡単に人を殺していく。やがていつしか周囲の人間を自由に操り、学校中を支配する存在になっていく蓮実。だがすべてが順調に進んでいた矢先、小さなほころびから自らの失敗が露呈し、それを隠蔽するために蓮実はクラスの生徒全員を惨殺することを決意する……。 あらすじ 解説 悪の教典 - goo 映画

ストーリーは上に書いてあるとおりで、序盤ではハスミンが学校内の人の弱みを握っていく過程が描かれ、中盤のとある事からどんどん人を殺していき、殺される側の生徒たちの逃げる様を見せつけられます。

テンポは良いのですが、時間の制約があったのか描写が飛んでいるかなっていうところ、セリフが説明的すぎるのではというところもありました。

虐殺が起こる文化祭前日に生徒たちが学校から抜け出そうという時に、ハスミンが怪しいっていう件があるのですが、犯人がハスミンだと知る由もない生徒たちがその結論に至ってるんですよね。

生徒たちが少なからずハスミンが人殺しもし得る人物だというのを感じる描写がもっと欲しかったなあと。

サイコパスが人を殺す。そこから何を感じるか

大島優子が途中退場したというニュースがありましたが、真偽はさておき、退場する気持ちも分かります。

ハスミンが虐殺を行う理由がサイコパスである以外にない、つまり論理的な理由はないため観客側も惨劇をただ目の当たりにするしかないのです。

私怨があるとか大義があるとか何らかの理由があれば、理由や論理を想像できれば怖いと言っても限度があるのですが、理由がないのに悪事をはたらくのは恐怖が激増するんですよね。

見た目は同じ人間なのに自分とは違う存在なんじゃないか、理解できない、何なんだこいつは、など拒絶するような気持ちが湧き上がってきて不安になると言いますか。

決してハッピーエンドではないので鑑賞後の後味は良くないです。尾を引く悪さです。

話としてはただ虐殺が起きるだけなのですが、鑑賞後に殺人や恐怖について思いを巡らせるには良い映画かなと。