ゲインオーバー

MUGA, I am.

『デトロイト ビカム ヒューマン』をプレイした。最高のゲーム体験だった。

発売から一年以上も経っていて今更なのだけど、『デトロイト ビカム ヒューマン』をプレイした。

発売当初話題になっていて興味は持っていたものの、買うきっかけが特になかったのでプレイせずに居たものの、7月のPS Plusに登場していたことか何かのきっかけで存在を思い出した後に、友人にプレイを勧められたので買ってみたら、どハマリした次第。

そんなわけで久々のブログ更新はゲーム『デトロイト ビカム ヒューマン』の感想である。物語の核心部分に関するネタバレは特にないので未プレイの人も安心して読めるはず。

アンドロイドと人間

まずはゲームをプレイしての全体的な感想。

ゲームは人間がアンドロイドとともに暮らす世界が舞台となっており、近未来SFが好きな私にはとっつきやすかった。

アンドロイドが自我を持ったらという話はブレードランナー2049だったり、ドラマのウエストワールドだったりで描かれているので今更感がないと言えば嘘になるのだけど、今作においてはこれがデトロイトが舞台となっている点が良かった。

南北戦争時に黒人奴隷をカナダへ逃がす拠点だった街、そしてアルジェ・モーテル事件が起きた街がデトロイトであり、そこを舞台に繰り広げられるアンドロイドと人間の物語であることから、奴隷制や差別と言った問題がテーマが設定されることは明白だ。こうしたテーマを背景に自我に目覚めたアンドロイドと人間の対立、あるいは融和の物語を作り上げたのは秀逸だったなと思う。

またこの後にも書いているが、ゲームの選択の積み重ねによりこのテーマが一面的ではなく、多面的、複層的に描かれることになっているのが『デトロイト ビカム ヒューマン』ならではで、ただただ感服した。

快適なゲームプレイ

アドベンチャーゲームを久しくプレイしていなかったので最初は単調だなと思っていたものの、デトロイトでは限られた時間でコマンドを入力しなければならなかったり、そのコマンドが意外と難しいものもあったりして「歯応え」があった。

ぼーっとしていると咄嗟に入力しなければならないコマンドを見逃してしまうので、コマンド入力を意識していると結果的にゲームに集中して物語に没入できるのも良かった。

コマンド入力だけではなく、登場人物の言葉や行動の選択も面白い。選択肢が出てから決めるまでの時間が絶妙にギリギリに設定されていて、緊張感がある。

また物語を進める上でのヒントを探す、R2長押しのエフェクトが心地よくてつい何度もやってしまうなど細かな操作もプラスだった。

周回プレイに関しては同じことの繰り返しになるので、時間短縮があると良かった。ただ、そうすると物語への没入感が減るので一長一短ではあって、本作で没入感を優先したのは正しい選択だと思う。

それから強いて言うならロードが長かったり、長時間プレイしているとカクつくという点はマイナスだったけれど本当に些細なことだし、デトロイトのせいではなく古いPS4のせいである気もする。

映画のようで、とてもゲーム

一回目のプレイでカーラという女性主人公を死なせてしまった。

プレイ中はカーラが生存できるように気を配っていたのに、とある選択を間違えてしまったミスプレイの結果である。

カーラの死までにも様々な選択肢を自分の手で選んできたものの、物語が自分の意に沿う形で順調に進んでいたこともあって、自分が選んでいるという感覚は全く無かった。

しかし、死んでほしくないキャラクターが死んでしまったときに自分がそれを選択したという事実を自覚し、自分が死なせてしまったことがとてもショックだった。

同時に、今までまるで映画のように物語が進行していたけれど、実際はその都度自分で選択をしてきた結果なのだと気がついたときに、これは決まった映像を鑑賞する映画とは正反対で、とてもゲームだなと思った。

前述のとおり、しっかりとしたテーマの下で物語が進んでいくのは映画のようなのだけど、そのための選択を自分で積み上げていくのは映画ではあり得ない楽しみ方なわけで、ゲームだからこそできる体験であり衝撃だった。

遠くない将来、VRなりで没入感をより一層高めた形でこういうゲームができるようになったらと思うと夢が広がる。

周回プレイで探る物語の広がり

一度クリアした後、まず最初に目指したのは全員生存クリア。要するにハッピーエンドだ。カーラを死なせまいという一心でハッピーエンドを目指した。

そして見事全員生存するエンディングへと辿り着いたのだけど、エンディングを見ながらこれでいいのだろうかという疑問が湧き上がる。プレイ自体は楽しかったのだけど、色々な困難はありつつも最終的にみんな幸せな物語がつまらないのだ。

自分の性格の悪さを実感する。みんなが幸せになるより、悲劇の方が好きなのだ。わざと死なせる、不幸な選択を取る方が物語としては面白いのではないか。自我を持ったアンドロイドが結局幸せになれない方が物語としては良いのではないか。そんなことを考えながら色々な物語の可能性を探した。

また、カーラも含めてゲームの主人公は3人居るのだけど、その3人の利害が必ずしも一致しないところがまた憎い。誰かを幸せにしようとすると、残りの誰かが不幸になることもあり、自分がどう選択するかが問われる。

全員生存というクリアが一番穏当なのは間違いないが、どのような物語を作り上げるかに正解はなく、プレイの数だけ生み出される自分だけの物語を楽しむのが本作の魅力だなと感じた。

周回プレイでは章の途中からゲームを始めることもできて、すべて最初からやり直す必要がないので様々な物語を楽しむのは比較的楽だった。一部序盤の選択が後半にも影響してくるところはあるけれど、それも限られているのでそこまで負担ではない。

物語への没入とは異なる、物語を自分で作り上げる楽しみも周回プレイでは感じられて、このゲームはとても深く、とても良く出来てるなと感心した。

ここ数年で最高のゲーム体験だった

普段そんなにゲームをやる人間ではないけれど、だからこそ、そんな私でもハマった『デトロイト ビカム ヒューマン』は誰でも楽しめるのではないかと思う。

本作の開発元であるクアンティック・ドリームが出した他のゲームも時間を見つけてプレイしてみたい。

【PS4】Detroit: Become Human Value Selection

【PS4】Detroit: Become Human Value Selection

深圳からマカオへのフェリー移動について。クレジットカードでもチケット買えた(2019年6月)

中国に旅行に行った際の、深圳から澳門へのフェリー移動について。ちなみに2019年6月末時点での体験談。

香港⇔マカオよりも便数が少ない、深圳⇔マカオ便

香港からマカオ、香港から深圳のフェリーの情報はあるのだけど、深圳からマカオのフェリーについては情報が少ない。

何より、深圳が観光地として流行ったのはここ数年の話なので当然なのだけど、フェリーの便数も香港⇔マカオ少ない。

香港⇔マカオ便が24時まで15分に一本なのと比べると、深圳⇔マカオ便は1時間に一本な上に深圳⇒マカオの最終便は21時と早め。

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香港・深圳・マカオの3都市は距離が近く、それぞれ特色が異なるので旅行で周遊するにはぴったりで今後3都市を巡る旅行も今まで以上に増えるだろうから、深圳⇔マカオのフェリーもひょっとしたら今後便数が増えて便利になるのかもしれない。

香港⇔マカオはフェリーがたくさんあるし、香港⇔深圳は高速鉄道がバンバン走っているしで既に十分な交通網が用意されているので、あとは深圳⇔マカオが充実すれば完璧。

それはさておき、深圳⇔マカオ便は現状では本数が少なく、高徳地図で検索すると福田から香港まで高鐵で移動して香港からバスが早いと出るものの、イミグレの手間を考えると深圳から香港を経由してマカオに行くよりは、深圳から直接マカオに行く方が楽と判断して今回はフェリー移動をした。

フェリー会社のTurboJetのWebサイトは一応日本語版も用意されていてオンラインでチケットを買えるようなのだけど、サイトの作りが微妙だったのと当日深圳でどれだけの時間を過ごすか分からず、フェリーの便が読めなかったので現地で買うことにした。

www.turbojet.com.hk

深圳の蛇口にあるフェリーターミナルへの移動

深圳側のフェリーターミナルは蛇口("じゃぐち"ではなくて、shekou)という場所にある。地図だとこのへん。

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今回は電気街のある華強北駅から地下鉄で移動した。ガイドに聞いたところタクシーでも時間はあまり変わらないらしいけど、地下鉄で一本だったのと友人が地下鉄のカードを買っていたこともあり地下鉄を選択。

乗り換えもないので50分ほど地下鉄に揺られる。やることもないのでKindleで本を読んだり、オートチェスをやったり。途中で警察の人が車内の見回りをしてた。

ぼーっとしていて降り損ねそうになりながら目的地の蛇口港駅に到着。フェリーターミナルまではバスで移動なのだけど、駅の中にフェリーターミナルへの案内が見当たらなかったので何となく人の流れに従って進んでいったら、バス停に着いた。

バスの料金は1人民元。Wechatpayのバーコードも貼ってあるのだけど、バス用?のミニアプリを使う必要があるみたいで中国本国の携帯電話番号がないと登録できない。

WeChatでSMSを受け取れるeSenderに登録していたので、その場でミニアプリをインストールしても良かったのだけど、もうバスが来ていたのでここでは現金で支払いをした。

それから、バスの運転手には英語が通じなかった。「フェリーターミナル?」と聞いたら、腕を動かして波を表現して回答してきた。フェリーのジェスチャー他にないのかとその時は思ったけど、言葉が分からない相手にフェリーを示すジェスチャーとしては正しいと気が付いた。運転手さん、ごめんなさい。

バスに揺られること10分くらいでフェリーターミナルの駐車場に到着した。フェリーターミナル行きじゃなかったらどこまで連れていかれるんだろうと不安だったが、杞憂だった。

フェリーターミナルに着いたら案内に従ってチケット売り場へとエスカレーターで上がっていく。

フェリーターミナルでのチケット購入

チケット売り場の前に着くといきなりダフ屋に英語で話しかけられる。この手の輩を信用する理由がないので詳しく話は聞かなかったけど、その後に話しかけられていた中国人グループはダフ屋からチケットを買っていた。

金券ショップの新幹線のチケットと一緒で回数券的なもので一括購入して価格をそこそこ安くしてるのかもしれないけど、外国人はパスポート出さないと買えない仕組みなので、ダフ屋から買っても無駄になる可能性あるのかなと思う。

そんなわけで有人のカウンターでパスポートを提示して購入する。チケットの購入は現金、クレジットカード、WechatpayのどれでもOKな様子だった。人民元が余ってたので現金で買った。

チケット購入後は出発口へ。香港→深圳のイミグレは意外と時間が掛かったので余裕を持って行ったが、めちゃくちゃ空いていた上に職員のチェックが緩かったので、15分程度で突破できた。待合室があるので困ることはないのだけど、もう一本早い便に乗れたのが惜しい。

待合室に入る前のチケット確認時に、職員が座席番号が書かれたシールをチケットに貼ってくれるので、座席はそれで決まる。とは言え空いていたので、発進後に籍を移動している人も見受けられた。

マカオへ到着

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フェリーに乗っていたのは正味1時間少々で、乗り心地は良かった。波が少なくてそんなに揺れないし座席も新しくはないけど、十分大きく綺麗。飲まなかったけどスタッフがコップに入った水も配ってた。

それから携帯の電波が入らない場所もあったものの、島が見えると繋がったりして1時間完全にオフラインになるわけではなかった。ほとんど寝てたので不正確なのだけど。

1時間少々の旅の後、フェリーはマカオ半島側のアウターハーバーに到着した。南島に着くフェリーもあるみたいだけど、本数は北の半島側の方が多い。南島便は1日2本なので時間が合わない限りは南島のホテルに行く場合でも北のアウターハーバーから行った方が早そう。フェリーターミナルからは様々なホテルへ向かうバスが出ているし。

時間が悪くホテルへ向かうバスがちょうど出たところだったのでタクシーでホテルまで移動した。タクシーは何台も並んでいて、待たずに乗ることができた。

D09 地球の歩き方 香港 マカオ 深セン 2019~2020

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  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
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夜景が最高な、香港のHOTEL ICONに宿泊してきた

先日、香港に旅行に行ってきた。その際にHOTEL ICONというホテルに宿泊した。

www.hotel-icon.com

尖沙咀(チムサーチョイ)エリアの東側にあるこのホテルはビクトリアハーバーの夜景が綺麗に見えるの加えて、香港理工大学の観光学部が関わって運営しているという非常にユニークな記載を見てとても気になっていた。

そんなわけで行ってきたのだけど、私が泊まったのは6月下旬で既に香港の大学の学期は終了していたからか学生らしい振る舞いの人は特段見受けられなかった。

ひょっとしたら裏方で働いていたのかもしれないが、部屋に宿泊者インタビューのお願いが置いてあったくらいで、滞在中に特に観光学部の気配を感じることはなかった。

残念ながらそこは空振りに終わったので今回の感想は特別なこともなく、ただの宿泊の感想となるのだけど、夜景はとても綺麗でご飯も美味しくてまた泊まりたいと思えるほどに大満足だった。

新しくモダンな部屋

ホテルが比較的新しいこともあって部屋は綺麗で十分に広かった。今回予約したのはキングベッドが一つあるだけの一般的な部屋だったけど、洗面所・浴室も余裕があるつくりだった。

高級ホテルでも有料のことが多い、ミニバーが無料というのが地味に嬉しい。コーラやポテチ、ビール等がそれぞれ2つ置いてあった。

このくらいのものであれば近くにあるコンビニで買えば困らないのだけど、それでもやっぱり無料は嬉しい。

部屋にはHANDYというスマホが設置されており自由に使うことができる。テザリングも可能となっているのは非常に便利だった。

香港で使えるSIMは日本で買って持っていたものの、旅の後半には容量が厳しくなっていたので助かった。

通信速度も全く気にならず普通に使うことができたので、HOTEL ICONに宿泊する人で空港からホテルまではモバイル通信がなくても困らないという人はHANDYに頼るのもアリだと思う。

部屋の様子も公式でYouTubeに動画が上がっている。ICON36とCLUB36というプランがあるのだけど、この二つについて部屋の差はあるように見えないので多分部屋から見る景色とか部屋の高さが違うのだと思われる。

www.youtube.com

部屋からの夜景最高

さて、今回の香港滞在ではビクトリアハーバーの夜景をホテルの部屋から眺めつつ、ビールを飲むという地味な目標があった。

結果から言うとその目標は存分に達成できて、ビクトリアハーバーだけではなく、九龍半島側のビル群も含めて広く夜景を楽しめることができるHOTEL ICONを選択したのは正解だった。

部屋の窓からPixel 3aのNight Sightで撮影した写真が以下。Night Sightすごいよ。

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ビクトリアハーバーからは距離があって九龍半島側のビルに香港島側が遮られるのもあるので、ビクトリアハーバーのライトアップを部屋から見るのには向いてなかった。

ライトアップの演出は音も込みなので、ホテルの部屋よりは湾岸に行って野外で見る方が楽しめるのではないかというのが個人的な感想なので後悔は全くないのだけど。

この夜景を眺めながら部屋でくつろぐのは最高で忘れられない思い出となった。今回の旅に来るまであまり自覚していなかったが、私は夜景がとても好きなようだ。元々ビルや都市は好きと分かっていたのだけど、夜景も大好きだった。

駅までは少し距離がある

欠点も挙げるとすると、アクセスはあまり良くない。駅まで距離があり徒歩で15分くらい掛かる。夏の香港を荷物を持って歩くのは結構しんどい。

とは言え香港はタクシーもすぐに捕まるし、尖沙咀駅近くまで無料の送迎バスが出ているので何度も頻繁にホテルに帰ってくるのでなければ何とかなる。

またバスは大型ショッピングモールのHarbour CItyまで運航しているので香港でショッピングを楽しみたい人にも向いてると思う。

さらにホテルの目の前にはDFS T ギャラリアもある。香港に消費税はないのでDFSでも市内のショッピングモールでも値段はそんなに変わらないはずだけど。

美味しいビュッフェ

公式サイトを見るとビュッフェが受賞していると書いてあり、朝食でビュッフェを利用したが確かに美味しかった。

中国っぽい、麺類やお粥の朝食メニューから、西洋風のものまで幅広く揃えているし、店内もとてもオシャレ。

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隣の座席との距離が少し近い気もしたけれど、隣に日本人が来ない限りは言葉も分からないので気にならないと思う。

昼過ぎには空港に行くつもりだったので、美味しい朝食をここでしっかり食べられて満足感がとても高かった。

また泊まりたい

というわけで、部屋もご飯も眺めも良かったので観光での滞在には全く文句がなかった。仕事も十分できそうだったけど、ラウンジ等は出入りしていないのでちょっと不明。

次回香港滞在の機会があればまた利用て、今度はホテル内のバーとかジムもちゃんと使って、より一層HOTEL ICONでの滞在を充実させたいなあ。

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#プロメア の映像が圧倒的なので早くもう一回観に行きたい(ネタバレなし)

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https://promare-movie.com/

昨晩『プロメア』を観てきた。グレンラガン、キルラキルのタッグが送る劇場映画ということ以外は情報を入れず、Twitterで頻繁に表示された広告も動画を敢えて再生してこなかったのだけど、情報を入れずに観て「プロメア最高!」と思えたのでストーリーに触れずに、私が特に楽しめた映像体験について感想を書きたいと思う。

圧巻の映像体験

まず、本編が始まってから10分くらいのアクションシーンが圧巻だった。アニメの手法には詳しくないけど、「これは作画どうなってんの?!」と頭の中にずっと浮かびっぱなしだった。視点が目まぐるしく動き、キャラクター躍動するのはアニメならではのスピード感と展開で観ていて飽きない。飽きないどころか、一気に世界に引き込まれた。アクションシーンは全編を通して何度も見せ場があるのだけど、そのたびに「すげー!」という気持ちが止まらなかった。

これに加えて特に良かったのは、諸々の表現の抽象さと斬新さ。漏れ出す光が線で描かれていたり、実写映画だとレンズに円の重なりで写る光の輝きが四角形で表現されていたりと、様々なことが独特の手法で抽象的に表されている。煙は塊のように表され、炎もそれだけで見たら炎とは分からない何かなのだけど、動いているとそう見えるのだから不思議だ。そしてこれが『プロメア』の得も言われぬ世界観を織りなしていて、見事。

そして多くのシーンでもこうした表現やエフェクトが過剰で、多幸感溢れる映像が続くのが最高だった。当然好みはあると思うのだけど、ここまでやってもらえると私はめちゃくちゃ嬉しい。

予告編の冒頭10秒くらいはネタバレがないので、これを見ると描写がどうなっているのか実際に見て分かると思う。

www.youtube.com

抽象的で独特な背景

背景については、例えば新海誠映画で見るリアルな描写とは全く異なり、基本的には抽象的な表現が貫かれていた。例えば街中のビルは画一的な直線で描かれていて、都市のビル群の無機質さを表現しているとも言えるだけど、色は明るくCGっぽいのっぺりとした質感になっているので、ただ無機質なだけではなくて柔らかい印象もあるユニークな雰囲気を全体的にまとっている。

遠景はさらに抽象的で色(影)と図形でしか表されない。今までこの手の表現をするアニメを私は観たことがなかったので、衝撃を受けた。「こういうのアリなんだ」という気持ちと、「こういうの欲しかった!」という喜びがせめぎ合いつつも喜びが勝って観ていて心から楽しかった。

個人的にはTishk Barzanjiのような雰囲気もあって魅力的だった。Tishk Barzanjiは、いわゆるVaporwave的なので方向性は違うのだけど、抽象化と影の使い方やグラデーションもそれっぽいなあと。

www.instagram.com

自由でカッコいい文字表現

『キルラキル』の時も文字へのこだわりは感じられたけど、本作ではさらに進んでいる。ぶっといアルファベットの前に勢いのある日本語文字が書かれているのが画面全体に表示されるのだけど、この文字の出し方がカッコいい。

文字が劇中の空間にそのまま配置されたり、キャラクターの動きに合わせて文字が動いたり、一部のシーンではダイナミックに表示された文字がそのまま劇中世界のモニターに写っていたりと自由で、ただただカッコいいという言葉しか出てこない。

文字にこだわる映像作品は、良い。

書いてみたものの、映像の良さは文字では伝えづらい!

なので、気になった人は劇場へ足を運ぶことをオススメしたい。大きな劇場スクリーンで観る理由がある迫力のある映像だし、良い映像を観るときは音も大音量の方が臨場感が増すので、どうしたって劇場で観る価値があると言えると思う。私も近いうちにもう一回観に行こうと思う。

promare-movie.com

引っ越しをしたときのメモ

人生で6回目の引っ越しを先日終えた。このうちいわゆる引っ越し業者に依頼したのは1回だけで、その他は転居先へ持って行く荷物が少なかったこともあり宅急便などで済ませている。そんなわけで6回目の引っ越しにもかかわらず、引っ越し業者に頼む引っ越しは2回目だった。

記録がてら引っ越しにあたってやったことのメモを。

物件を探す

家が手狭になってきたので、より広い部屋を探していた。当初はマンション購入や、戸建ての建設も考えていたのだけど、住みたい地域に魅力的な物件がなかったので、一旦賃貸に移って様子見をすることに決めた。

不動産仲介業者のツテがあったので探してもらいつつ、家賃の予算で絞って住みたいエリアを検索サイトで探していると、ちょうどその日更新された物件で良いのがあったのですぐに問い合わせ。

不動産業者への申し込み、審査、内覧、契約

今回は転居元も転居先も同一業者が運営している賃貸物件で特典もあったので、直接その業者に申し込みをした。押印や源泉徴収票のコピーは必要になるものの、やり取りは基本的にメールで行うので楽だった。

結果、無事一番手となったので内覧の具体的な日時を決める。前の住人の退去までに少し時間があったのでしばらく期間が空いたものの内覧をサッと済ませて、その後本申請・本審査。審査も問題なく通ったので、後日会社へ出向いて契約した。

内覧の時に確認したことが、きちんと契約書の特約条項に盛り込まれていて貸主が企業だとしっかりしてるなあという印象を持った。内覧時に聞きたいこと聞いておくの大事。それから相手が企業だったからか印鑑証明が必要になるというまさかの事態。こればかりは面倒。

引っ越し業者への連絡

無事契約が済んだので、ここから諸々の手続きを行った。まずは引っ越し業者への連絡。有名な引っ越し業者の一括見積サイトを使ったのだけど、その後の電話がしんどかった。たくさん電話が来る以上に何がしんどいかと言うと、留守電を残さない業者が多い点だ。電話代を惜しんでいるのかどうか知らないけど、業者名やら用件を伝えてくれないとこっちも対応できない。大手は電話対応もしっかりしてる。

後から元リクの人にSUUMOの一括見積であれば電話番号の入力は不要であると聞いたので、次回からはSUUMOを利用したいと思う。

hikkoshi.suumo.jp

火災保険の解約・新規手配

元住居の火災保険解約と新住居での契約。どちらもWebで完結して、クレジットカードで支払いも済むので簡単だった。後日郵便で保険証書という名のハガキが届く。

電気・ガス・水道・インターネット・NHKの住所変更

この手の変更を一括で行うサービスもあったのだけど、今回はこれまでまとめていなかった電気・ガスを一本化する予定があったので、それぞれのサイトで手続きをした。深田恭子かわいい。

ガスは立ち会いが必要なので、休みを取って対応。水道は立ち会い不要だけどオートロックを開ける必要があったのでガスと同じ日に対応してもらう。電気は不在時に対応してくれた。

停止は引っ越し日から退去立ち会い日の間、開始は契約開始日から引っ越し日の間にしておく。

郵便局、クロネコヤマトへの住所変更

引っ越し前にも登録できるし、Webで完結するので転送手続きをしておく。続々と転送シールが貼られた郵便が届くのでそれらについては一個ずつ住所変更の手続きをする。

銀行口座やクレジットカード、各種Webサイトの住所変更

諸般の事情があって金融関係は基本的に実家住所で登録しているけれど、一部については新住所に変更した。Amazonとか楽天は注文するタイミングで更新。

引っ越し準備・引っ越し

引っ越し業者から段ボールが届いたけど、早めに詰め始めると段ボールの置き場がないのは目に見えていたので、直前に荷詰めをした。要らないものも多かったので、次回引っ越し時には予めコンマリしなければ。

当日来てくれた引っ越し業者の人は人当たりの良い人々で、設置も確認しながらやってくれて全てスムーズだった。大手の安心感はこういうところにあると思う。IKEAの家具は壊れやすいから営業担当に分解しろと言われたので一応分解しといたけど、分解しなくてもOKっぽいので次回からはそのままにする。

退去立ち会い

元住居の退去立ち会いで確認は30分ほど。フローリングを凹ませてしまったのでそこは当然指摘された。原状回復費用は業者からの連絡待ち。

引っ越し後

すぐに必要なものについては当日中に開梱し、その他は1週間くらいかけて開梱した。引っ越し先で新たに使う収納がまだ届いていないので、開梱がまだ済んでいない段ボールがある。収納は早めに買っておいた方が良いという反省。

部屋が広くなったので特にフローリングの掃除が面倒になったけど、クイックルワイパー装備のブラーバとコードレスクリーナーでかなり楽に掃除できている。

日帰りで行ける。混雑控えめのロンドン近郊観光スポット

以下は2017年の4月に書いたまま下書きに保存されていた記事で、2019年の3月にサルベージされたものです。一部加筆修正したのだけど、そもそも私が既に帰国してしまっているのであくまでも2017年当時の話ということで。

ロンドン近郊の観光スポット

ロンドンは観光客が多い都市の一つで、とある調査によれば2014年は世界2位の外国人観光客数だったそうです。そもそも人口自体が多く、ヨーロッパの他の年に比べても中心部は特にコンパクトな作りになっているため、いつも人で溢れています。

大英博物館や、ウェストミンスター寺院などの有名スポットは特に観光客でごった返していて、その場に居るだけで疲れてしまうくらい混雑しています。混んでいるということはそれだけ観光で行く価値があることの裏返しなのですが、ちょっと遠くに足を伸ばしてもうちょっと人が少ないロンドン近郊を観光するのもまた違う趣があって良いと思います。

というわけで今回は私が今までの滞在で気に入ったロンドン近郊の観光スポット(観光地じゃないのもあるけど)を紹介していきます。

ケンウッド・ハウス(Kenwood House)

Northern LineのArchway駅から210番バスで10分ほど。ロンドンの北側に位置していて郵便番号はNW3 7JR。入場料は無料。

話が逸れますが、ロンドンの郵便番号の前半は方角を表しているので大体の位置が郵便番号だけで分かります。NはNorth、SはSouthという具合で東西南北の頭文字なんです。そしてNWは北西、SEは南東という具合になっています。番号は概ね小さいほうが中心地に近くなっています。

さて、ケンウッド・ハウスの話に戻りますが、ここは昔貴族のお屋敷だったところでそれが保存・修復されて現在は公開されています。英国には結構こうしたお屋敷があって、次のストロベリー・ヒルもそのうちの一つです。English HeritageやNational Trustという団体によって管理・運営され、芸術作品の展示や建物見学が行われています。

このケンウッド・ハウスはギネスビールでおなじみのギネス一家の一人が一時所有していたそうで、その時のコレクションが展示されています。フェルメールやレンブラント、ターナーと言った有名作家の作品も含まれています。ギネスさんの審美眼が優れていたのか、単に金に物を言わせて集めることができたのか分かりませんが、有名博物館でもないのにこれたの作品があるのは流石英国といったところでしょうか。

また建物自体も見どころで、外観だけではなく内装の水色が爽やかで可愛い印象です。

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ストロベリー・ヒル(Strawberry Hill)

Waterloo駅からSouth West Trainsに乗ってTwickenham駅またはStrawberry Hill駅で下車して徒歩。郵便番号はTW1 4ST。

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先程郵便番号は方角と書きましたが実はそれはロンドン市内だけの話で、それ以外では地名が用いられていることが多いです。というわけでここはTwickenhamのTWです。OxfordはOX、LiverpoolはLとなっています、ちなみに。

1ポンドで渡れる舟が出ているのでそれでリッチモンド側に行くのも良いでしょう。

英国空軍博物館(Royal Air Force Museum)

Northern LineのColindale駅から徒歩。

英国空軍の戦闘機実機が展示されている博物館で、戦闘機マニアでなくても実物を見るとその大きさと洗練された造形に感動を覚えると思います。実機が展示されていることもあり、館内は広くて見終わるまでには結構な時間が掛かりました。

博物館周辺には何もないので見学が終わったら中心地に戻るのがベターですが、ロンドンの住宅地を練り歩くのも乙かもしれません。

グリニッジ天文台(Observatory Greenwich)

DLRのCutty Sark駅で降りて公園を登っていくとグリニッジ天文台にたどり着きます。Greenwich Mean Time、グリニッジ標準時が定められた地としてあまりにも有名です。人が少ないわけではありませんが、ロンドンの中心地に比べれば格段に空いてます。

天文台自体もいいのですが、丘になっているのでロンドン市街地方向が遠めに見下ろせて眺めが良いスポットでもあります。夏場だったら公園でごろごろするのも気持ちよいです。

クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク(Queen Elizabeth Olympic Park)

OvergroundのStratford駅に位置していて。その名前のとおり2012ロンドンオリンピック会場跡地です。

スタジアムやプールがあるだけで催しがやっていないと何も見どころがありません。しかし、東京オリンピックの会場跡地もいずれこうなるのだと思いを馳せると悪くないのかもしれません。

結構広いので時間には余裕を持つといいと思います。

英国らしさを味わうなら郊外

後半に行くにつれ文章が短くなってますが2年前の下書きということでご容赦を。

ロンドンは言わずとしれたヨーロッパ有数の都市で中心地も栄えていて楽しめるのですが、郊外の方が英国らしさを随所に感じられて面白いと思ってます。

日本が東京だけじゃないのと同じように英国もまたロンドンだけではありません。とはいえ旅行で他の地域に行くにはそれなりに時間と費用がかかるけれど、ロンドン郊外ならちょっと足を伸ばすだけで行けます。