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電動アシスト自転車Specialized Turbo、日本では最高時速45kmで走行可能なのか?

最高時速45kmの電動自転車 Specialized Turbo、無線規格ANT+対応(動画) - Engadget Japanese
engadgetで紹介されていた、Specializedの新しい自転車、Turboがかっこいい上にハイスペックで惚れ惚れする作りになっています。電動アシスト自転車なのにデザインが野暮ったくなくて、かっこいいですね。

さて、このTruboは電動アシストによる最高時速が45kmまで出るということで、「公道の制限速度には注意が必要」とengadgetには書かれていたのですが日本の場合はどうなのかちょっと道路交通法を見てみました。 まずは電動アシスト自転車そのものについて調べてみます。

第一条の三  法第二条第一項第十一号の二 の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。 一  人の力を補うために用いる原動機が次のいずれにも該当するものであること。 イ 電動機であること。 ロ 二十四キロメートル毎時未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において、人の力に対する原動機を用いて人の力を補う力の比率が、(1)又は(2)に掲げる速度の区分に応じそれぞれ(1)又は(2)に定める数値以下であること。 (1) 十キロメートル毎時未満の速度 二 (2) 十キロメートル毎時以上二十四キロメートル毎時未満の速度 走行速度をキロメートル毎時で表した数値から十を減じて得た数値を七で除したものを二から減じた数値 ハ 二十四キロメートル毎時以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと。 ニ イからハまでのいずれにも該当する原動機についてイからハまでのいずれかに該当しないものに改造することが容易でない構造であること。 二  原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働き、かつ、当該機能が働くことにより安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと。 道路交通法

この条文のハによると「二十四キロメートル毎時以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと。」なので、日本での電動アシスト自転車の補助可能な最大時速は24kmとなってしまいます。よって、電動アシストで時速45kmを補助するのはこの法令に反するので、日本での販売の際にリミッターが掛かってしまう可能性もありそうです。 この速度制限を超えることでの罰則規定や、直接海外から輸入した場合に所持しているだけでも罰せられるのかどうかは分かりませんでした。

さらに、今度は自転車そのものというよりも、道路を走る場合について速度制限があるのかどうか調べてみました。 自転車でもスピード違反はあるの?

徐行等の規制条項を別にすれば、自転車は道路標識・標示によって指定されている最高速度(規制速度)を守る義務が有ります。規制速度は道路標識・標示により異なりますから一律に何キロ以上で違反とは言えません。次に、その他の規制速度の定められていない道路では、自転車に関しては速度制限はありません。 <理由>  『車両』は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。(道路交通法22条1項)と規定されています。そして、『車両』とは、自動車、原動機付自転車、『軽車両』及びトロリーバスをいう。(同法2条1項8号)と規定され、続いて『軽車両』とは、『自転車』、荷車その他人若しくは動物の力により、~中略~をいう。(同法2条1項11号)と規定されていますから上記の『車両』の中には『自転車』も含まれる事になります。  又、上記でいう政令の中の最高速度は、一般道路で牽引中でない場合等原則として自動車60km毎時・原動機付自転車30km毎時等(道路交通法施行令11条)と規定されていますが、政令の中には『自転車』に関する最高速度の規定はありません。

法定最高速度には定義されていませんが、自転車も車両なので道路毎に決まっている時速制限を守らなければならない。ということのようです。道路標識の速度制限が時速50kmであれば、自転車で時速45km出しても問題ないということになります。

調べてみると残念ですが、法令上の電動アシスト自転車のアシスト速度制限によって(罰則があるかは分からないのだけれど)、Turboのフルスペックを日本で体験するのはどうにも難しそうなので、補助を24km以下にして日本で走れるかっこいい電動アシスト自転車をどこか他のメーカーが出せばチャンスあると思います。

Specialized Trubo、公式サイトも凝った作りになっているので是非ご覧になってください。