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AmazonプライムでMR. ROBOTを観ました(ネタバレだらけ)


mrrobot
Amazonプライムで配信中のドラマ、MR. ROBOTを観ました。IMDBで8.9点、Rotten Tomatoesで98%という驚異的な高評価を叩き出してる作品ということで、期待してみたら、その期待以上に楽しめました。

普段、海外ドラマを観ないのですが、今回は一気に観てしまいました。以下ネタバレ有りの感想を。

現代版ファイト・クラブ

非常にザックリと言うと、ITから金融まで手掛ける大企業の口座データを天才ハッカー集団fsocietyがハックして削除、正しい世界を目指すという革命を成し遂げるまでの話です。

アンチ資本主義、反体制の革命を起こすという点で、ファイト・クラブが思い出されるわけですが、実際かなり似ています。現代版ファイト・クラブと言って差し支えないんじゃないかと。ファイト・クラブは爆破していましたが、今作ではハックすることでぶっ潰そうとします。現代っぽいですね。

両作の鍵となる点ですが、主人公が二重人格というところが同じです。ファイト・クラブでは安定した平凡な生活を送る主人公のカウンターとしてタイラー・ダーデンが登場しますが、MR. ROBOTでは、主人公のエリオットの死んだ父親が幻としてエリオットを革命へ駆り立てていきます。

しかし、話も似ているし気がつくべきだったなと観終わった今では思うのですが、10数年経つと忘れてしまいますね。見返すと最初の方で、fsocietyのメンバーがこの父親の幻の方を全然見てないし、エリオットが父親と話しているシーンを怪訝そうに見ていますね。やられました。

この父親の死に大企業が絡んでいる、同じ事件で母親を失った幼なじみも登場する、更には実の妹がハッカー仲間に居るのにエリオット(ならびに視聴者)は途中まで気が付かないなど、要素がより複雑に絡んできて、映画のファイト・クラブで出来なかったことを長尺のドラマとしてやって、より話が深まっているように感じます。

それから、エリオットは自分の過去に蓋をしている、ジャンキー故の二重人格で、さらに記憶が時々なくなるというところもファイト・クラブとは違う点で、過去がトリガーになっているという点はパーソナリティにより焦点を当てていると感じます。

後にも書きましたが、一般人もエリオットにハッキングされて、個人情報が顕になることで明らかになる隠されたパーソナリティがあって、人がそれぞれ抱えているパーソナリティの特徴や問題が現代のソーシャルメディアにおいて、どう表現・消費されていくのかは考えなければならないなと。

リアルな描写

ブルートフォースでパスワードを解析したり、IRCでチャットしたり、ターミナルでコマンドを叩いたりという描写がごく普通に描かれます。どれも、予備知識ないとよく分からないレベルで、描写へのこだわりを感じます。

第一話の冒頭シーンなんか、エリオットがカフェのオーナーに対して「お前、Tor使って児童ポルノばら撒いてるだろ?ここのカフェの回線ハックして調べたわ」ですからね。しかも特にTorの説明がない。

反対に、この作品に登場するITリテラシーがそんなに高くない人たち、要するに一般人の描写も見どころです。フィッシング、人にもらったCDを迂闊にもPCに挿入してしまってマルウェアに感染、携帯を勝手にいじられてデータを盗られるなどの被害に遭う人たちが丁寧に描かれています。

ドラマや映画のフィクションの中で、こういった犯罪の手口をリアルに見ると、防犯意識やITリテラシーの向上に繋がっていいのではないかなと思いました。

シーズン2にも期待大

今回のシーズン1で明かされなかった点や、おそらく意図的に描かれていない事柄も多くあるので、シーズン2でどのように語られるのか今から楽しみです。

Amazonプライム限定ということなので、会員になってない人は是非コチラからどうぞ。30日間お試しらしいです。

海外ドラマファンの人は、NetflixAmazon、Hule等それぞれ、ドラマ単位で囲い込みをされると色々なサービスに入る必要が出てきそうで大変ですね。。。 Fire TV Stick Fire TV Stick