ゲインオーバー

MUGA, I am.

日本では6月公開予定の「デッドプール」をお先に観てきました


deadpool
こちらではついに「デッドプール」、デップー先輩の映画が公開されました。予告編を観る限りだと、少し暴力・ゴア表現があって、シモネタもそれなりにあって、言葉が汚いということが分かりますが、本編もそのままそのとおりですよ!ネタバレ無しで以下。

あらすじ

書こうとしたんですが、今作は話が現代と過去を行ったり来たりして、何も知らないで観たほうが楽しめると思うので触れません。ちなみにWikipediaのストーリーは完全にネタバレしてるので見ない方が良いです。

あらすじに関わるところで先に知っておいてもよいと思うのは、デッドプールの能力です。まず第一に圧倒的な治癒能力。X-MENウルヴァリンと同じです。それから、第四の壁、メタの突破能力。

第四の壁の越え方に注目

第四の壁とは、演劇や漫画、映画、アニメ等でその媒体と鑑賞者、視聴者の間にある壁のことです。例えば、演劇だったら演者が舞台で演技をしているとは自覚しないのが通常ですが、それを自覚するなり演者が演技していることを観客に分からせることで、第四の壁を越えることがあります。劇中で演者が観客に携帯電話の電源を切るように言うとか、演者が居ないはずの観客を居るように扱うなどが具体的な例です。

で、デッドプールはこの第四の壁を越えるキャラクターなんです。原作のマーヴルコミックの中で、漫画キャラでありながら自分が漫画の中に居ることを分かっていたり、読者や編集者に語りかけるようなセリフを言うんです。デッドプールが出演しているゲームでも再現されてます。

今回の映画でも第四の壁を越えてくるのですが、その越え方やセリフに要注目です。冒頭から第四の壁を越えてくるので最初から目が離せません。特に最初のシークエンスは字幕版だとどうなるのか分からない楽しいギミックがありました。

異常に口汚い、クズな主人公

デッドプールは今までのマーヴル映画のヒーローとは一線を画するキャラクターで、基本的にはただのクズです。信念を持っているアンチ・ヒーローともまた違っていて、気が狂っているただのクズです。彼女のためなら頑張るくらいには人間なんですけど、楽しみながら人を殺すし口も悪いです。劇中でも相当Fxxkって言ってます。

X-MENと同じ世界の話として作られているので、X-MENハウスが登場する他、全身金属で頑丈なコロッサスとエネルギーを溜めてそれを波動として放出する能力を持つネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(これが名前!)が登場して戦闘にも参加します。本当にこの二人、特に生真面目なコロッサスと比べると如何にデッドプールがクソ野郎かというのがよく分かります。

デッドプールが過去が分かってくると、ひょっとしたらクズじゃないのかもしれないと思いますが、最後までクズさも口の悪さは健在でどうしようもないです。日本公開時にあの騒動が一段落してたら、下衆の極みデッドプールということで、煽り文句が打たれる可能性もあるんじゃないでしょうか。

ゴアや下品さで笑える人には楽しめる映画

血しぶきが出たり、首がスパンと切られたりするゴア表現は多めです。ここまでの表現は今までのマーヴル映画ではなかったと思います。でも、デッドプールの残忍さを表していてよくやったというのが本音でこれを楽しまないわけにはいかないでしょう。それから日本語でどう訳されるのか見当もつきませんが、シモネタがヒドいのでその辺も覚悟が必要です。エンディングのスタッフロールでもシモネタですしね。でも、これもデッドプールの魅力なので笑うしかありません。

海外サイトでは軒並み評価が高いようですが、第四の壁突破とアメコミ映画らしからぬ下品さを除けば他に特筆すべき事もないような映画ですし、率直に普通の出来かなと思います。シモネタ等は英語で完全に理解できていない部分もあると思うので、日本版を観たらまた評価も変わるかもしれませんが、笑えるところも多く悪くない映画でしたということで。