ゲインオーバー

MUGA, I am.

「10 Cloverfiled Lane(邦題:10 クローバーフィールド・レーン)」良かった!


10cl
日本では6月に公開予定の「10 Cloverfiled Lane(邦題:10 クローバーフィールド・レーン)」を観ました。公式サイト

まず、この映画は前情報なしで観にいくと一番楽しめると思います。この記事にアクセスしているのは、感想や情報を得たかったからだと思いますが、予告編すら観ない方が間違いなく楽しめます。なので今すぐ映画館へ!と言いつつ、予告編も貼っておきます。

以下、ネタバレの程度を2段階に分けて感想を。

タイトル的なネタバレを含む話

映画のタイトルに「クローバーフィールド」と入っている時点で、知っている人は「クローバーフィールド/HAKAISHA」を思い浮かべて、怪獣が出てくるのかと思うはずです。今作はJJエイブラムスも言及しているとおり、続編ではないものの繋がりを持つ作品で、前作の登場人物や主人公は登場しないと明言されていたようですが、それでも何かしら登場する。そんな風に考えて観ざるを得ません。 http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89

しかし、予告編のとおり地下室で女主人公と若い男、おっさんの3人が暮らしている密室劇が、どう「クローバーフィールド」に結びつくのか。「クローバーフィールド/HAKAISHA」を知っている人にとっては、そこを推理しながら観るのがこの映画の楽しみ方です。

何が本当で何が嘘なのか、主人公と若い男、おっさんの誰を信用していいのか。前作のクローバーフィールドでは無かった、密室スリラーを含んだ展開になっています。ソースが見当たらないのですが、元々この映画とは別にあった脚本をマッシュアップしたと読んだ気がするので、今回は「〜HAKAISHA」と趣の異なるものになっているのかもしれません。

ストーリー、オチまでのネタバレを含む感想

主人公ミッシェルが車でドライブ中に事故を起こす→気が付いたら地下室に閉じ込められてる→地下室の主らしいおっさんがお前を助けたと言う→どう考えても危ない人だから脱出しようと試みる→失敗→おっさんが外の世界はヤバいからと説明→若い男が居るのが分かるけどそいつも外の世界ヤバいと言う→タイミングを見計らって脱出を試みる→地下室の出口で何かに感染したらしい女性を目撃→おっさんの言うことは正しかったんや→ここでの暮らしも悪くないかも→・・・

といった具合に展開していき、おっさんの嘘や過去に地下室にいたはずの別の女性の存在が分かり、終いにはおっさんに疑念を抱く主人公が地下室から脱出します。脱出したら普通の世界が待っていると思いきや、実はおっさんが正しくて外は宇宙人が侵略している世界でした。そして宇宙人との接触と戦闘の末、勝利を収めた主人公は車で脱出。

非常にザックリとこんな話です。先にも書いたとおり何が本当なのかを考えながら観るととても面白いです。事実が小出しに出てきて、これは本当?嘘?と推理しているうちに、主人公に感情移入して深い映画体験ができます。異常な閉鎖空間で進む物語って、同様に暗い閉鎖空間である劇場で観るのにぴったりなんだなと思いました。緊張感と恐怖感がぴったりハマる気がします。

ただ気になる点もありまして、どこまで不思議な点を受け入れるかが問題です。おっさんがシェルターに色々と装備を整えている、糞尿を溶かす強酸性の何かがある、地下室で暮らしてる割にみんなとても健康そう、おっさんは医療の心得があるだけでは済まない、ハイテクそうな宇宙船が火炎瓶1つで落ちるほど弱い、宇宙船が散布した直後の毒の影響を主人公が受けない、などなど気になった点を挙げると、きりがありません。特に宇宙人絡みでそうしたポイントが多かったです。

最後の宇宙人登場のくだりは、「クローバーフィールド」要素を感じるものの、どうしても宇宙人と闘うシーンを入れたかったと思わせる蛇足感がありました。なので最後のくだり無しで、主人公が出たら空に宇宙船があって、おっさんの言うことが正しかったで終わっていたら、気になる点も少なくなり手放しに良い作品だと思えたんですけどね。映画体験としてはとても良かったので満足していますが、そんな感想も持ちました。