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『ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗』

ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)
ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)

どーも、MUGA(@muga_over)です。

明らかにされる円谷プロの裏側

著者の円谷英明氏が円谷プロの歴史を内側から暴露する内容になっていて、この本の主たる主張としては、慢心的な経営により円谷プロが実は赤字体質だったこと、経営の失敗が続いてしまったことが挙げられています。

ウルトラマンを一話制作するのに1,000万円、平成シリーズでCGを使ったものだと5,000万円近く掛かっているのもあると言うのは素人目に見ても、それを毎週作っていたら、よっぽど関連商品が売れるとかしないと元は取れなそうです。。。

Amazonのレビューウルトラシリーズのファンの人であろうコメントが多数あって、ここを読むと更に理解が深まります。

また、タイのチャイヨー・プロダクションとの係争についても書かれていて、円谷プロが日本以外の国でウルトラマンを使えなくなるに至る経緯も知って驚きました。

この係争も、上手い落としどころを見つけてウルトラマンが無事世界へ羽ばたくことをファンとしては願うばかりです。

ただ、読み終わって最初に、この本もひとつの側面でしかないのではと思いました。

経営に関して詳細を話した上で批判しているのは説得力があるのですが、英明氏は同時に円谷家の皐氏や一夫氏に対しての批判も行っているところ、円谷家にこだわっていたところに円谷家の中の人の見方を感じてしまいました。

僕は同族経営に対しては良い印象がないので、遅かれ早かれ円谷家は経営から手を引くべきだったと考えているので、そこにこだわる人の意見なのではないかなと思うところもありましたね。

ウルトラマンにかつて夢中だった人にはオススメです。

ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)
ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)