ゲインオーバー

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本1万冊を血肉にするのは大変な道だなって

ライフネット生命社長の出口さんが書いた読書本を読みました。感想は、よし古典を読もう!

古典を読め

出口さんは基本的に古典を読むことを勧めています。その根拠もいくつかあるのですが、次の箇所が理由を端的に表していると思います。

古典は、最良のケーススタディです。古典を読めば、人間と人間社会に対する認識を比較的簡単に得ることができます。一からすべて自分で考えなくとも、「巨人の肩の上に立って」、先人が積み重ねた教養をありがたく利用させてもらえばいいのです。

思考過程の追体験を読書に求めていることが他の箇所にも書かれていて概ね名著である古典を読む事で追体験することのメリットが述べられています。また古典は今まで読み継がれて評価されてきたことを踏まえると、ハズレの確率が低いということも理由に挙げられています。さらに、解説書よりも古典の原点が良い理由として、原典をかいつまんだもので読んでも原典の著者の思考過程を追体験できないこと、解説書を書いている人は原点の著者よりも優れていることが少ないことを挙げています。

とは言え、いきなり古典が読めないという人には読みたいと思う本をまず読もうということを書いていて隙がありません。しかし、エクスキューズ的に述べられているだけで基本的には古典を読もうというスタンスで進んでいきますので、古典NGだよという人は置いてけぼりになります。でも本書で述べられる思考過程の追体験の重要性が分かれば、きっと読みたくなるはずです。ちなみに、出口さんがゆるく定義する古典は岩波文庫東洋文庫に入っているものだそうです。

なお、現代の本を読む事についてもアドバイスがありますが、これは正直参考にできませんでした。言ってしまえば読みたい本を読めという一点に尽きる部分があります。読書初心者としてはそこのところをもうちょっと詳しく聞きたいんです、先生。。。

読書の習慣をつける

・新しい知識を得る時には7~8冊の本を読む ・「暑い本」を最初に読む ・5分読んで面白そうだと思ったら読む ・新聞3紙の書評欄を見てムラムラしたら読む ・ベストセラー本は読まない ・就寝前に1時間読書の時間を作る などなど、出口さんの様々なマイルールが紹介されますが、こうしたことをある意味でシステマティックに守ることが読書を続ける秘訣になっているようです。編集後記でも「活字中毒」だと書かれていて、常人には真似ができない部分もありますが、参考になった手法があればそれを取り入れて自分なりの読書習慣を作っていくのが良さそうです。

教養を得る手段として人、本、旅の3つが示されて、その中でも本はコストや時間がかからず知識が幅広いこと等が利点として挙げられています。このメリットを最大限享受するためには、人や旅をしない時間を極力本に充てることが望ましいので習慣をつけることは重要なんだろうと思われます。

紹介されている書籍は200冊近く

本書で言及、紹介されている書籍は200冊近くに上ります。ちょっと膨大過ぎてすべてを読書リストに入れるのは難しいのですが、このリストは参考になりそうでした。この中からタイトルを見て惹かれるものがあればそれを読むというスタイルでも出口さんの薦める読書法から外れないと思うので、気になる方はここだけでも一読しておくとよいのではないでしょうか。