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フランスのPicard ピカール冷凍食品をパリで買って食べてみたら、予想より美味しかった

Picard(ピカール)というお店を知ったのは先々週のこと。パリに居る友人から、フランスには流行っている冷凍食品専門のスーパーがあると聞いたのです。しかも、最近日本にもお店ができて大人気だと。私にとっては冷凍食品専門のスーパーというだけで興味津々だったのですが、さらに日本進出までしていると聞いて二重に驚きました。

これは行くしかないと思っていた矢先パリに行く用事があったので、Picardに寄ってきました。パリ市内だけでも117店舗あって人気の高さが伺えます。今回立ち寄ったのはBourse駅にほど近いBourse店。この店舗が有名なわけではなく、たまたまその近くに居たからという理由だけです。それくらい色んな所にお店があります。

Picardについて

まずPicardの読み方は「ピカール」。ピカード艦長ではありません。Wikipediaの情報をざっくりまとめると以下のとおり。

  • 1906年創業の冷凍食品製造企業(企業名としてはPicard Surgelés)
  • 1974年に第一号店をローマに出店。現在では900店舗を超える
  • 店舗に加えてPicard.frでネット販売も行っている
  • 取扱商品数は1,200点におよぶ

www.picard.fr

日本展開もしていて現在は青山骨董通り、麻布十番、中目黒に店舗を構えているそうです。場所からターゲットが分かりますね。ただ日本でもウェブ展開をしていて通販で購入が可能です。送料は756円から。冷凍食品なので配送料が割高になってしまうのは致し方ないですね。

Picard(ピカール)冷凍食品 Online Shop トップページ

日本語ウェブサイトのメニューが「Produits」(製品)、「Magasins」(店舗)になっているのは翻訳途中だからなのか、あるいはフランス語でオシャレに見せてるのか。。。

また日本語ウェブサイトには以下のような記述もありました。

パリでは、朝・昼・晩・アペロ…食卓にいつも笑顔と一緒にあるpicard(ピカール)。

その美しく、おいしく、ナチュラルな食事が、日本でもお楽しみいただけるようになりました。

ピカールは、お料理を“作る”のも、“食べる”のも、大好きになる冷凍食品がまるごとそろっています。

私たちは、日本で最も手軽に“パリの365日の食卓”をお楽しみいただけるおしゃれなスーパーマーケットです。

おしゃれなスーパーマーケットとしてのブランディングなわけですね。Twitterにも書きましたが、個人的にはスーパーマーケットよりは美味しい冷凍食品専門店として売っていった方が良いのかなと思いました。冷凍食品にしては価格がそこそこするので、お金はあるけど忙しい、でも美味しいものを家で食べたい層に売るのが良いかなと。

ただ、レンジでチンだけでは終わらず一手間必要なものや時間をかけた自然解凍が必要なものもあったりするので、必ずしも忙しい層にマッチするわけではありません。でもレンジでチンできるメインディッシュに関してはウケると思うんですけどね。これから書くとおり味も良かったので。

Picard実食

長々書いてきましたがようやく食レポです。

まずはじめにこちら 。英語だと「Beef marine noodles and vegetables sauté soja sauce with sesame」というところでしょうか。全くフランス料理じゃないんですけど見た目がとても美味しそうで手に取ってしまいました。というのも、この商品こういう状態のパッケージなんです。

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食材がビニールでピッタリ覆われ、さらに凍っているのでまるで食品サンプルのような不思議な状態でした。見た瞬間はこれサンプルなのかと疑ってしまいました。技術力すごい。

これをレンジで6分温めるととても美味しそうな匂いがレンジから香ってきます。温めた直後は熱くて、ビニールを剥がす時に火傷する可能性があるので1分寝かせてから剥がします。

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じゃじゃーん。パッケージに入れたまんまなので完全に冷凍食品ですが、見るからに美味しそう。そして本当に香りがいいんですよ。ちゃんとお皿に盛り付けたら多分冷凍食品には見えないと思います。

さて味ですが、麺は流石に歯ごたえが弱くなっていました。しかし冷凍食品だと思えば許せるレベル。お肉は少し固いものの、味がしっかり付いていて悪くないです。全体的に美味しいですよ、本当に。

比較対象がイギリスの冷蔵食品(イギリスはあんまり冷凍食品でちゃんとしたのがない)なので、少し下駄を履いている部分もありますが、Picardは冷凍食品なのになかなかどうして美味しいです。

Picardの寿司

次はこちら。パッケージからして危険な臭いがします。

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このお寿司、本来はレンジで解凍した後に冷蔵庫で冷やして食べるものです。しかし今回パリで買って4時間ほど掛けてロンドンに帰って、結果的に自然解凍に成功したためその後少し冷やしていただきました。

パッケージから取り出したところはこんな感じ。割り箸や醤油、ガリまで付いています。

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実物がこちら。少し食べてから写真を撮ってないことに気がついたので食べかけです。

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冷凍食品の寿司を食べた記憶が今までないのですが、まあ冷凍食品ならばこんなもんだろうと割り切れるくらいに、シャリは美味しくなくネタもベッチョリしてました。パリでもその辺で売っている寿司が美味しかった記憶はないし当然といえば当然かもしれませんが。。。

まあ、おそらく日本のピカールでは売られないだろう冷凍寿司が食べられたので満足です。

冷凍食品専門店は日本でも流行るか

冷凍食品専門でお店を構えるピカールのスタイルは、日本で言うとニチレイが独自の店舗で商品を売るみたいなもので試みとしてとても面白いと思いますし、垂直統合ゆえにスーパーマーケット等に縛られない強みもあるのでしょう。

しかし、これも冷凍食品でありながら美味しく、そしてオシャレでもあるというメッセージを打ち出せた故の成功だと思います。特に日本では冷凍食品はそこまで美味しいものとして認知されてないため、元々のハードルは高いように感じられます。餃子とかチャーハンとか美味しいものいっぱいあるんですけどね。そしてパッケージにしてもスーパーの広告みたいに文字が踊っていて、オシャレさは全く無いですよね。

それから冷凍食品はどうも「手抜き」のイメージが強いように思います。こんな記事もありました。個人的な感触では、お弁当で使うことは許容されている気がしますが、夕食で使われると「手抜き」と思われる線引きがあるように思います。これはおそらくお弁当は朝時間がない時に作るもの、夕食は時間がある時に作るもの、そして一日の食事の中でもメインという認識の違いから、生まれてくるように思います。

ですが、今までのようにご飯は専業主婦が家で時間をかけて作るものではなく、夫婦共働きで時間に応じてどちらかが作るものにシフトしていくでしょう。その中で、冷凍食品をうまく使って料理の手間を減らすことが、「手抜き」ではなく「効率化、省力化」としてお弁当以外でもポジティブに捉えられるようになれば、冷凍食品に対するイメージも変わっていくのかもしれません。

冷凍食品の美味しさを正しく伝え、イメージを変えることができれば日本でも冷凍食品が今よりもさらに広く使われて、ピカールのような店舗が流行ってもおかしくないのかなと思いました。