会社で上司や同僚とのコミュニケーション、仕事に困っている時に役立つ「伝わっているか?」20のメソッド
周に一度の定例になっている、Kindle Unlimitedのブラウジング。本屋の立ち読み感覚で使っている)ので、週に一度読みたい本をピックアップして、毎週入れ替えるということをやっているんです。
で、今週もラインナップを眺めていたら、イルカが表紙の小西利行著『 伝わっているか?』(宣伝会議)が目に飛び込んできました。「ダジャレかよ」と思ったものの、高評価のレビューが並んでいました。
- 作者: 小西利行
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2014/06/05
- メディア: Kindle版
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さらに、Newspicksが期間限定で無料公開していたCEOの本棚という連載で、孫泰蔵氏が「この『伝わっているか?』では、どんなに良い商品、良い情報であっても、伝わらなければ何の価値もないということを、ビジネス書的につづっています。」とオススメしていたこともあり、すぐにポチリ。
画像データでの提供で、検索やハイライトに非対応なのは残念でしたが、内容はとてもタメになりました。上司や同僚とのコミュニケーションにもすぐ使えそうですし、それだけでなく私生活にも応用できそうなテクニックが目白押し。
「伝える」から「伝わる」へ
コミュニケーションに関する指南書と言うと堅苦しい印象になりますが、本書が紹介しているのは堅苦しくないコミュニケーションのハウツーであり、テクニックです。
仕事でも友人との付き合いでも、他人と何かをする時には何でもついて回るのがコミュニケーション。なので、本書でコミュニケーションの方法を学ぶというのは、生きていく上でのテクニックを習得すると言っても過言ではないのかもしれません。
人は自分の気持ちや考えを「伝えよう」としがちであるが、本当に重要なのは「伝える」ことだけでなく、相手に「伝わる」こと。そのためには、「相手の気持ちを徹底的に想像して、その人が嬉しくなって、心が動くアイデアを考えなければ」ならないという発想の転換が必要なのです。
そのための20のメソッドが本書では紹介されています。著者の小西氏はこの本の「伝わるメソッド」を通じて、コミュニケーションをもっとスムーズにし、正しいことや大切なことがもっと伝わりやすくなる。そして人が前向きに動いて、人生だけでなく世界が変わっていくことも願って本書を記したそうです。あとがきにはコピー学、コピーライティングを学問的に研究することでコミュニケーションの齟齬を無くしたいとの記述もあって、熱意がうかがえます。
20のメソッド
本書で紹介されている20のメソッドは以下のとおり。これだけ見て内容が分かる人は本書を読まなくても十分「伝わっている」人だと思います。
- だけしか
- 選ばれてマス
- 共感図
- アゲサゲ
- ごほうび
- ゲーム化
- 喜怒哀楽
- 続きはあとで
- ひとコマ目標
- あるない
- プラス新しい
- ひらめきスロット
- イメチェン
- カンタン解
- なりきり
- スリーポイント
- ムリヤリルール
- 永久指標
- なぜなぜ?
- なんすか力
言われれば納得の項目も多く、特に「ひらめきスロット」などのアイディアを生み出す方法に関しては新しく得た発想もありました。どれもコミュニケーションを取る時に意識できていないのが正直なところですね。。。
21個目のメソッド「物語」
本書を読んでいて不思議に思ったのが一点だけあります。それはメソッドの一つとして、伝えたい内容を物語にする、印象に残るように少し関係のない話も織り交ぜるといった方法が紹介されていなかったこと。「なりきり」に通ずる部分もあるのですが、「なりきり」は相手の立場ならどうするかを考えるという内容で、少し趣が異なるんですよね。
この本の構成自体が物語(会話)調になっていて、悩みを持ってバーに来た客にイルカ(誰かの愛称ではなく哺乳類の本当のイルカ)が「伝わっているか?」とコミュニケーションの方法をアドバイスしていくことで進んでいきます。物語を交えて「伝える」ことで「伝わる」というのを本書がメタ的に表しているから、これも紹介されるのだろうと思いながら読んでいたのですが、結局出てこないんですよね。
というわけで、もしメソッドを追加する権利がもしあるのなら(ないけど)、21個目のメソッドとして「物語」を追加したいのです。マーケティング界隈で使われる「そのものだけでなく、体験(の想像)も含めた価値提供」の意味でのナラティブの方が適当かもしれませんが。
1対1のコミュニケーションよりも、不特定多数に向けた文章や業務レベルでの話でないと「物語」を積極的に活用することはないかもしれません。例えば新しい商品を顧客が手にすることで、顧客の生活がどう変わるかを提案するだとか。
とは言え、相手に「物語」で想像させることは会話の中でもあり得るかもしれません。他の人が〇〇した事例を出して、自分が〇〇することを想像させたり、もし××だったらという具合に仮定して想像させたり。
このように「物語」もコミュニケーションを円滑に行い、相手に「伝わる」メソッドの一つかなと思った次第です。
課題
この20+1のメソッドをどのように日常のコミュニケーションに落とし込んでいくかは、課題だと感じました。しかし、これは地道に実行して身につけるしかないんでしょうね。試行錯誤していきたいと思います。
- 作者: 小西利行
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2014/06/05
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