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英国発。お酒が苦手な人のためのノンアルコールスピリッツ"Seedlip"を飲んでみた

ノンアルコールのスピリッツ。スピリッツは蒸留酒だろというツッコミが聞こえてきそうですが、ノンアルコールのスピリッツ、Seedlipというものがあるんです。

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私も最初に知ったときはスピリッツがノンアルコールは意味が分からないなと思っていましたが、開発のストーリーを知って、実際に味わってみて思ったのはこれはお酒が苦手な人向けのスピリッツだなということ。もちろんお酒が好きな人でも味わえます。

というわけで早速Seedlipについて書いていきます。

蒸留酒ではないスピリッツとは一体何なのか

昨年のEvening Standardのオンライン記事公式サイトから情報を抜粋して、まずはSeedlipが何なのかを。

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  • 開発者はベン・ブランソン。
  • 1600年代に行われていた薬草の蒸留でノンアルコールのスピリッツが作られていた。その情報が記された1651年の書物「The Art of Distillation」を元に、当時の製法に挑戦して作られた。
  • レモンピール、カルダモン、カスカリラ樹皮等を原材料に用いて蒸留を行っている。
  • Seedlipの名前の由来は種撒きの時に種を運ぶのに用いられていたバスケットから来ている。
  • Seedlip開発者のベンはお酒を飲まないので、良いレストランに行った時に食前酒代わりに飲めるものがないか悩んでいたのが開発のきっかけ。
  • 原料のレモンの皮はアルゼンチンで、他の5つはドイツで蒸留されて、最終的にイングランドに運ばれボトリングされている。
  • ロンドンにある有名店やおしゃれなバーでもSeedlipで作られたカクテル味わうことができる

このように蒸留が必ずしもお酒の生成のみを意味しなかったため、ノンアルコールのスピリッツが昔は存在していたものの、今となってはもっぱらお酒で蒸留が行われるのでスピリッツが蒸留酒という意味になったのかもしれませんね。

「The Art of Distillation」は次のサイトで読むことができます。読みづらいですが、蒸留の方法が図解で示されていて面白いです。

John French - The Art of Distillation Book I

値段は約4,000円と高め

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Seedlipには現時点でSPICE 94とGARDEN 108の2種類があるのですが、今回私が買ったのはSPICE 94。写真の手前側です。こちらがオリジナルでGARDEN 108は新作のようです。

ボトルからしてオシャレですね。草木が並べられてキツネの顔が描かれています。

料金は700mlで28ポンド(日本円約4,000円)と決して安くはありません。酒税が掛かってないことを考慮すると余計に高い印象です。

好みが分かれるだろう、不思議な味

さて、肝心の味ですが、まずは単体で飲んでみました。

ハーブの香りと後味がする水で口に入った時の味は特にありません。他にこういう飲み物を飲んだ記憶がないので何に形容すればいいのか分かりませんが、身体に良いと言われれば飲むかもしれない程度の味で、単体で飲むものでないことは確かです。

ジンだって単体ではあんまり飲みませんし、そりゃそうなんですけど。

次に、公式サイトのレシピに従い、フィーバーツリーのトニックウォーターで割って、グレープフルーツピールはライムで代用して飲みました。

これはアルコールのないジントニックですね。後味がジントニックよりもさっぱりしていて、ハーブの香りが口の中に広がるのは悪くありません。

味がマイルドなのでジントニックよりも多くの人が飲みやすいと言える一方で、トニックウォーターにハーブの風味が加えられている印象も否めず、Seedlipよりもトニックウォーターが主役になっています。

話が逸れますが、こちらも同じく英国発のフィーバーツリーのトニックウォーターはシュウェップスよりも美味しいです。

それから一応試してみたのですが、ジントニックにさらにSeedlipを追加すると、ジンの香りにさらにSeedlipのハーブも追加されることで一層味わい深くなって、これはこれでアリです。

アルコールが飲めない、飲みたくない時にジンの代用に

そんなわけで、お酒が苦手な人、お酒を飲める人でも飲めない時にSeedlipのトニックウォーター割りが良いんじゃないかなと思いました。酒飲みの人には少々物足りないかもしれませんが。

それから、ノンアルコールカクテルはシャーリーテンプルしか飲んだことがないのですが、柑橘系の苦味や渋味が味わえるノンアルコールカクテルが他にないんだとすると、Seedlipのトニックウォーター割りは食前にも飲めるノンアルコールカクテルとしてその地位を確立できるんじゃないかなと思います。

公式サイトには他にもSeedlipを使ったマティーニのレシピも載っていて、ジンの代用として多くの飲み物に使えるようなので、いつかトライしてみたいです。

その前にもう一つのSeedlip、GARDEN 108に挑戦しないとですね。

ロンドン市内で飲めるところ、購入するには

購入できるところ

オンラインショップは次の2つがありました。この2つは日本への配送も対応しています。公式サイトでも販売しているようなのですが、配送料や地域の確認が商品をカートに入れて個人情報入力後じゃないと分からないのでやめました。

Seedlip Spice 94 Non-Alcoholic Spirit : The Whisky Exchange

Buy Seedlip Spice 94, Distilled Non-Alcoholic Spirit 38253 - Berry Bros. & Rudd

ロンドン市内の店舗では有名百貨店セルフリッジの地下一階ワインショップで購入可能です。私もここで買いました。The Whisky Exchangeの店舗でもひょっとしたら扱っているかもしれません。

味わえるところ

高級レストラン、バー、ホテル等で味わえるようなのでロンドンに行った際には是非。場所によってはドレスコードが求められるかもしれません。

BROWNS, THE SAVOY, CLOVE CLUB, 31 DOVER, DUCK & WAFFLE, LIME WOOD, The New Forest, HARWOOD ARMS, M, BAR BOULUD, MANDARIN ORIENTAL, HAWKSMOORなどなど。

数が多いので公式サイトで残りはチェックしてみてください。THE SAVOYに行くとラグジュアリーなロンドンも味わえて良いのではないでしょうか。

そんなわけで今回はSeedlipについて書きました。わざわざ輸入して買うほどではありませんが、ロンドン観光に来る機会のある方はトライしてみてください。