実際のところどうなの?ロンドンの回転寿司屋YO! SUSHIに行ってきました
この前Appleが寿司職人を求人していたニュースを見て、そういえばロンドンに来てからお店に入って寿司を食べてないなと思い、行ってきましたよ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/03/news118.html
今回行ったお店は、ロンドン市内に何店舗も構え、サウジアラビアとUAEにまで進出している「YO! SUSHI」。英国人にとっての回転寿司といえば、この「YO! SUSHI」と言っても過言じゃないくらいに、国内では超有名だそうです。
海外の寿司は寿司じゃないと言う発言をWebでも見ますし、実際に話を聞いたりもしますが、果たして本当にそうなのか。違いはどのあたりにあるのかという点も踏まえてレポートできたらと思っています。
Googleで検索したら、サジェストに「yo sushi まずい」って出てくるんですけどね。。。
玉子
「いきなり玉子かよ。もうちょっと順番とかあるだろ。白身魚から食べるとか」
「寿司ポリスうるさいわ。玉子は味を外さなそうだと思うし、見た目が日本のそれに近いからいいんだよ」
「形がとても綺麗な長方形で、いかにも機械で作った見た目なのは気になるけどね」
「うん。少し甘いかなと思うけど、スーパーで売ってる玉子の寿司って言われたら疑わないレベルだね」
いなり寿司
「なんで普通の寿司を食べないわけ?今回の趣旨は、日本の寿司と海外のSUSHIの。。。」
「寿司ポリスうるさいわ。いなり寿司は味を外さなそうだと思うし、見た目が日本のそれに近いからいいんだよ」
「味濃いけど、スーパーで売ってるいなり寿司もこんな感じだよね。味の付いたいなり寿司用の油揚げそのまま持ってきてるんじゃないのこれ」
サーモン・マグロ・エビ
「次はこの3つ載ってる握りのセットを。玉子もいなり寿司も普通だったし、握りも大丈夫でしょ」
「メニューにはYellow Fin Tunaって書いてあるからキハダマグロだね。日本でよく見るメバチマグロと違って色薄くて、少し淡白な味のはず」
「うーん。この質だとマグロは漬けにして食べた方が美味しいと思うけど、サーモンは至って普通。エビは少し残念かな。」
「そうだね。握りになると、スーパーの寿司の方が鮮度も良くて美味しい気がする。でも、だから不味いって話でもないね」
「そうそう、そもそも寿司の不味いって何なんだろうね。ネタの鮮度が良いと美味しいってのは分かるんだけど、不味い寿司って一体何?何を持って判断してるわけ?」
スパイシーツナロール
「気付いたんだけどさ、握りのメニューがほとんどない。サーモン、マグロ、エビしかない。あと、マグロのアボカドとトリュフ乗せ、牛肉のたたきくらい」
「本当だ。種類が多いのは巻き寿司、ロールみたいだね。そっち攻めようか」
「お、綺麗にソースかかってて気になるから、これにしよう。この赤いソースなにかな?(蓋を取る)あ、これチリソースだわ!匂いが完全にチリソース」
「これ結構辛いね。中にマグロと玉ねぎが入ってるんだけど、チリソースの味しかしないね。醤油つける?」
「あー、結局チリソースが勝つわ。舌にチリソースの辛さが残る。これ途中で選んだのは完全に失敗だね」
「うん、これはスパイシーツナロールという別の食べ物として認識せざるを得ないね。そしてリピートはしないね」
スパイシーチキンロール
「じゃあ次はこれ。カツが巻いてあって、上にソースがかかってるのかな」
「あ、言うほどスパイシーじゃない。七味がかかってるけど、少量すぎて味がほとんどしないね。チキンカツとご飯を一緒に食べている感じだね」
「表現がそのまんま過ぎてツッコみたいんだけど、ほんとそのとおりだわ。これも寿司かと言われると、悩むね」
「さっきのスパイシーツナロールよりはカリフォルニアロールなんかに近いから、寿司と呼んでもいいんじゃないの?」
「個人的には、魚介類を使ってるかどうかが境界線だと思ってて、カリフォルニアロールはカニが入ってるから寿司で、このスパイシーチキンロールはチキンだから寿司じゃないと。だから、むしろさっきのスパイシーツナロールは、マグロが入ってるから寿司と言えなくもないんだけど。。。」
ブロッサムロール
「新メニューにも挑戦してみよう。このブロッサムロールっていうのが新しいらしい。春を前にブロッサムってことなのかな」
「ロールの上に花が咲いてるように見える。ブロッサムってこういうことか、なるほど。ロールの中にはエビフライが入ってて、上に乗ってるのはピリ辛のマグロだね」
「エビフライがサクッとしてて美味しい。上にピリ辛マグロ乗ってるのは組み合わせ過ぎかもと思ったけど、濃い味が苦手じゃなければ意外といけるんじゃないか」
「味の濃さで言うと、さっきのロールも味濃かったし、やっぱり英国風の味付けはこうなのかもしれないね」
「これはエビフライだしマグロも載ってて魚介だし、定義的には寿司と呼びたいところなんだけど、これに関しては完全に別物だと思ってしまうね」
「ネタがエビフライとかチキンカツっていうのは、寿司かと言われると悩むけど、そういうおにぎりだと言われたら、納得できる気がする。天むすだってあるわけだし」
「そうかもね。確かに寿司じゃないけどおにぎりって言われたら、もうちょっとすんなり入ってくるね」
餃子
「あのさ、さっきから気になってるんだけど、餃子が回ってるんだよね。食べていい?」
「うーん、皮はサクサクでいいんだけど、これは美味しくないなあ。さすがに中華料理屋で食べた方が美味しい。あと、メニューにカツカレー、うどん、焼きそば、エビフライなんかも載ってるけどトライする?」
「いや、そろそろ満腹だからそれは今度にしよう。でも、考えたら日本の回転寿司でもそういうメニューって置いてあるよなあ。そういえば、何でなんだろうあれ」
カスタードどら焼き
「そうだね。どうしたってどら焼きだね、あれは。でも中身はカスタードクリームだね」
「何とも言えない味だったね。ベリーのソース付けるとベリーの味しかしないし、かと言ってどら焼き単体で食べても何だか味気ないし」
「うん。それはそうと、どうして4分割したうちの3切れしか乗せてくれないのかね」
牛肉のたたき
「その前に、最後に牛肉のたたきを食べていい?イギリスの牛肉はそんなに不味くないし、これはいけると思うんだよね
「脂が少なすぎてまったくとろけないし、噛みきれないなから飲み込むしかなかった。これは完全にハズレ」
お会計
「合計8皿とゆずジュース1本で34ポンド、今日のレートで約5,500円。日本の回転寿司と同じでお皿によって値段が異なるとは言え、1皿平均4ポンド、約650円は高いわ」
「ゆずジュースいつの間に飲んだの。。。さっき話の途中だったけど、寿司の不味いってこのコスパの視点が、他の料理よりも大きく作用してると思う。店のランク付けがハッキリしていて、良い店で高い値段を払うと美味しい寿司が食べられるでしょ。値段が安くても美味しいものがある牛丼だとかラーメンとはぜんぜん違う料理なわけ」
「寿司と牛丼比べるのは極端だけど、まあそういう視点もあるのかもね。今回実際に食べてみて、日本の寿司とはやっぱり違うと感じるけど、海外で受容されて変化してきただけだと思うから、海外の寿司を寿司じゃないと頭ごなしに否定するのは間違いかなと。全体的に味付けが濃いけど、これはこれでありかなと思ったし」
「日本でもパスタやピザが進化しているわけだし、それはそうだね。違いがどうしても気になる人は、日本の寿司は寿司で、海外の寿司はSUSHIと考えるとしっくり来るのかもね」
さいごに
というわけで、さも誰かと行ったかのような構成でお送りしましたが、一人で行って、一人で食べて、一人で文章を起こしたことを最後にご報告いたします。