ゲインオーバー

MUGA, I am. 映画のことや英国のこと、加えてゲームやテクノロジーも。気になることを気侭に記していくブログです。

予想以上に残念で、褒めどころも少ない『LOOPER』を観てきました




looper
観てきました、『LOOPER』。今年2本目。

残念、以上。

感想にはネタバレがあるので先に書いておくと、世界観やタイムトラベルの設定が煮詰まってなくて本当に残念だと思いました。

ネタとしては面白いはずなのに風呂敷を広げるのが下手なんですよね。

あらすじ

未来ではタイムマシンの使用は禁じられているものの、犯罪組織が敵を証拠もなく消すために利用していた。抹殺するターゲットをルーパーと呼ばれる殺し屋が待機する過去に転送、ルーパーは確実にターゲットを殺害する手はずになっている。腕利きのルーパー、ジョージョセフ・ゴードン=レヴィット)の元に、ある男(ブルース・ウィリス)が転送されてきた。いつものようにすぐさま仕事を片づけるつもりだったが、男が30年後の自分自身であることに気付いてしまう。ジョーが躊躇した隙をついて、未来のジョーは街へ逃走。仕事を完遂しないと自分が殺されるため、現在のジョーは必死に追跡する。ようやく未来のジョーを追い詰めた現在のジョーは、彼が危険を冒してまで過去へ来た真の目的を知る……。 あらすじ 解説 LOOPER/ルーパー - goo 映画

ジョセフ・ゴードン=レヴィットがかっこよくない

まず、これだけは言っておきたいというのが、『LOOPER』のJGL(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)があんまりかっこ良くないということ。

JGLだからこの映画を観た部分もあるので、この点で大幅にマイナスポイントです。

インセプション』、『ダークナイト ライジング』のJGLはかっこ良かったのに、今作は特殊メイクのせいか髪型のせいかあんまりかっこ良く思えませんでした。

アクションとか頑張ってるなあとは思うんですけど、JGLは立ち姿とか静の部分でのかっこ良さが好みなんですよねえ。

もっとこうクールさを全面に出していただきたく。。。

テレキネシスのとって付けた感

TK、テレキネシスが使える人が一定数居る近未来の設定で、登場人物の中にもテレキネシスを使える人が出てくるのですが、その数があまりにも少ないし、どうも効果的じゃないんです。

この物語の中でテレキネシスを使えればいいのは一人だけで、他の人が使える必要性とか、テレキネシスを使える人類が発生したみたいなのは要りません。

その一人が突然変異で使えるっていう設定で十分だし、そっちの方が脅威になるから効果的だと思うんですよね。

劇中でも一人以外は大した能力として扱われていないし、描写も少ないのでどう考えても不要な設定でしょう。

テレキネシスを使える人が一定数居る世界って、タイムトラベルで送られてきた人物をラッパ銃でぶっ放して殺すというハードボイルドな設定とミスマッチ過ぎて震えます。

この映画の中で時間軸は一つ

さて、本題に入る前にタイムトラベルもので考えなければならないのが、時間軸が一つなのかあるいは複数あるのかということです。

現在のジョーをA、未来のジョーをBとした時、Aに起こったことがBにも起こる(例えばAが怪我をしたら、Bにも怪我の跡ができるなど)が時間軸が一つの世界。

複数の時間軸が成り立つのは、Bが将来的なAの可能性という解釈で、AとBは同一人物ではあるけどAに起こったことはBには起こらないなど、パラレルワールド的な状況になっている世界。

で、今作では時間軸が一つの設定なんですよね。

現代のジョーが怪我をすると、未来のジョーにも傷跡が出来、現代のジョーが体験したことは新たに未来のジョーに記憶としてインプットされます。

こういう説明は劇中で自然とやってくれるのでうまいなあと思いいます。怪我の描写は一部痛々しいくらいなんですけどね。

ジョーはどうして◯◯が分かったのに△△したのか

以下、ネタバレ。

この映画の最後の方は、ループを止める(未来のジョーを殺す、幸せな生活を破壊する)レインメーカーという人物を、彼が子どもの現代で未来のジョーが殺そうとするのと、その未来のジョーを現代のジョーが殺そうとする攻防になります。

さて、最終的に未来のジョーが子どものレインメーカーを殺そうとするのですが、それを遠くから見た現代のジョーは、未来のジョーレインメーカーを殺そうとして、結果的に殺せず逃し、その後恨みを持たれたために彼にループを止められるということに気が付きます。

先に書いたように、この映画の世界では時間軸が一つ、かつ過去の自分の記憶なんかも未来の自分に即時に反映されるというのに則るなら、現代のジョーが事のあらましを分かった瞬間に、未来のジョーもそれが分かるわけで、自分がレインメーカーを殺そうとするから妻も死ぬし不幸の連鎖が始まると分かって殺さなくなるんじゃないの?

だって、未来のジョーの動機ってそこにしかないでしょ?

でも現代のジョーが事のあらましを分かるのって、その時点でもの凄くおかしいんですよね。ジョーはそういう能力者なの?何なの?死ぬの?

明らかに一番重要なところなのに、何でこうツッコミが入ってしまうんでしょうかね。。。

ジョーはこの出来事を複数回ループしているのか→おそらくしていない

それから、未来のジョーが現代に戻ってきてレインメーカーを殺そうとしたものの殺し損ねることが事の発端だとすると、既にそれは少なくとも一回は起こっているはずなんですよね。

でも、それが少なくとも一回起きていると、「現代にやってくる未来のジョーレインメーカーの正体を少なくとも知っている」はずなのに分かってない以上、過去には一回も起こっていないんでしょうね。

過去に一回も起きてないんだとすると、あれ事の発端が発生していないことになるから、そもそもこの物語始まらないような。。。

タイムパラドックスとかそういう問題じゃなくて、この時点で構造的に問題ありです。

いっその事、映画の内容そのものがループしてるとかにしてくれれば面白かったんですけど、それだけだと『ビューティフル・ドリーマー』でありハルヒの『エンドレスエイト』ですね。

仮に先の前提は色々と無視して一つの時間軸ではなくて、複数の時間軸があって、パラレルワールドの存在を認めつつも大筋で起こる事件や出来事は変わらないっていう設定だと、この映画のオチどおり自分が死んで、自分だけその連鎖から抜け出す必要があるというのも納得がいきます。

ただ、その場合でもジョーが死んだところで、ジョーが死ぬという運命からは抜け出せませんし(30年後に死ぬのか今死ぬのかの差)、大筋が変わらなければ結局レインメーカーは何らかの形で他の人のループを止めることになると思うので、ハッピーエンドなのか何なのか分からないし、最終的には何も解決しません。

ただ、複数回に渡って不幸のループを繰り返している描写はありませんし、最後は子どもレインメーカーがスヤスヤ眠っているカットで終わってハッピーエンドを匂わせているので、複数の時間軸、ループ説はどうやらなさそうです。

残念、以上。

タイムトラベルものとしてはどうもお粗末な出来で、この映画の結末を褒めてる映画批評家の人たちは仕事をなくしはないのかと勝手に心配になります。

いやあ、とんだトホホ映画でした。

TVCMでDaiGoを使ってる時点でトホホ映画だと気がついておくべきでした。トホホ。