ゲインオーバー

MUGA, I am.

笑えて、心地良い。『最強のふたり』を観てきました



観てきましたよ、『最強のふたり』。なかなかお客さん多かったです。

あらすじ

ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス(オマール・シー)。もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。何もかもが正反対のふたりが、パラグライダーの事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てというフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ──だが、ふたりとも偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。そんなある日、心配してドリスの経歴を調べた親戚が、宝石強盗で半年服役した前科者だから気をつけるようにとフィリップに忠告する。しかしフィリップは、「彼は私に同情していない。そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」と、毅然と答えるのだった。フィリップを車の荷台に乗せるのを「馬みたいだ」と嫌がって助手席に座らせたり、早朝に発作を起こした彼を街へ連れ出して落ち着くまで何時間も付き合ったり、意外にもドリスには自然な思いやりや優しさがあった。あらすじ 解説 最強のふたり - goo 映画

実話に基づいた話だということで、世の中にはこんな感動的な世界もあるんだなあと感心してしまいます。

Wikipediaによれば、

この映画は、実在の人物である Philippe Pozzo di Borgo とその介護人 Abdel Yasmin Sellou をモデルにしている。Philippe は、1951年生まれで、1993年に事故で頸髄損傷となり、2001年に自身のことや介護人 Abdel とのことを書いた本 Le Second Souffle を出版した。 2002年には、Philippe と Abdel はフランスのテレビ番組 Vie privée, vie publique で取り上げられた。この番組の司会者 Mireille Dumas は二人に興味を持ち、2003年に二人を描いたドキュメンタリー À la vie, à la mort を製作した。 このドキュメンタリーを観たエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが、映画化を考え、Philippe に話を聞きに行き、脚本を書き上げて、映画を監督した。

だそうです。

さて、最初に言っておくと、この映画はお涙頂戴映画ではありません。どちらかと言うとコメディです。

日本で感動作という宣伝文句だと、往々にして涙ポロリなものが多いように感じますが、本作は感動的な話ではあるものの泣かせにかかるような展開はありません。

良し悪しあるのですが、話がライトで概ねコメディタッチで描かれていきますし、劇的な起伏や悲しみはなく、ハッピーな場面や展開が多いです。

なので、感動作ということで身構えてくと肩透かしを喰らう可能性が高いので、笑いに行くくらいの気持ちがちょうど良いんじゃないかなと思います。

感想

調べるとウィットに富んでるという感想をよく見るものの、フランス流のジョークには興味が無いのでウィットかどうかは個人的に分からないのですが、それでも二人の楽しい雰囲気は非常に良く伝わってきます。

ドリスが始める下世話な会話やしょうもないジョークは、日常でも仲が良い友人が言ってたら自分も笑うなあと思うもので観ていて和やかな気持ちになれます。

演技じゃなくて本当に面白くて笑ってるんじゃないかなあと思わせるくらいに二人の会話は自然かつ面白そうに映っていて好きです。

それから、富裕層貧困層の二人のカルチャーギャップは笑える部分もあり、お互いが背負っているシリアスな部分では考えさせられる部分もいくらかありと、格差というところも少なからず描かれています。

ただ、僕はもうちょっと感動的なもの、格差問題をも照らし出すものだと思って「深さ」を期待してしまったので、その点では期待はずれだなと思いましたが、それでもなかなか良い映画でした。

劇場数は限られていますが、是非。

しっかし『最強のふたり』って邦題付けた人はどこをどう最強だと思ったのでしょうか。。。原題はフランス語で『INTOUCHABLES』です。