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そこらの自己啓発本が霞むほどに最高な、ウメハラの新書『勝ち続ける意志力』

勝ち続ける意志力: 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)勝ち続ける意志力: 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)
梅原 大吾

小学館
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先日発売された、ウメハラの新書を読んだのですが、結論から言うとこの本はとんでもなく素晴らしい本でした。 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」というサブタイトルが付いていますが仕事術というよりも、物事に挑む姿勢全般あるいは生きるにあたってのウメハラの考えが書いてあるのでそこから学ぶことが多いです。 ウメハラのことを知っている人もそうでない人も読むべき。というわけで感想を。

この動画を観るとさらに本書が楽しめます。※ニコ動

勝ち続けることの難しさ

この本で繰り返し語られるのが、努力とその努力をしたことによって裏打ちされる自信の重要さです。勝ち続けるためには常に努力をし、変化をし、前に進むことが必要で、安易な道や方法に頼らず真摯に打ち込むことでそれが自分の自信に繋がり勝ち続けることができます。

本書では格闘ゲームで常に最前線で戦い続け勝ち続けることとして語られていきますが、これは人生でも置き換えられることです。勝つことを目的にするならばその場をしのげる技やテクニックを身につけるのも悪くはありませんが、人生というものは一度勝てば終わるものではありません。

またその努力のスパンを長く設定することも書かれていて、努力するにあたって10年間続けられるかどうかを考えることが勧められています。自分を痛めつけるだけの努力では意味がないし、持続可能でないと日々の成長がないということで、10年という期間が掲示されています。

ウメハラの物語としても面白い

この本は大きく2つの要素に分かれていて、前述のウメハラの考えとウメハラの物語になります。

ウメハラを知っている人にとっては、子どもの頃の話やウメハラが格ゲーをしばらくやっていなかった時、雀荘でバイトしていた時代の話なんかは読んでニヤニヤしてしまうこと必至です。

また知らない人でも、負けず嫌いなウメハラやゲームにひたむきな姿や介護をして肉体労働を味わうウメハラには共感できるのではないでしょうか。

姉が「日本国憲法前文」を数度読んだだけでいとも簡単に丸暗記してしまい、少年ながらにウメハラが敵わないと悟った「日本国憲法前文」丸暗記事件や、力が強かったためにガキ大将ポジションを得られた小学校の話、その後中学でガキ大将ポジションを失うことになる話なども興味深いです。

個人的にウメハラの人生を映画にしたらなかなか面白いのではないかと思います。

この本が最高なわけ

どうしてこの本にグッときたのかというと、ウメハラは努力の天才と言っても過言ではないほどにストイックに努力し続けることができる人ではあるけれど、親近感を持てることが大きいと思います。

もちろんウメハラも雲の上の人ではありますが、世に溢れる自己啓発本の類は社会的身分が既に確立された職業の人、例えば起業家であったり某有名コンサルの人だったりと、地位も名誉も金もあってギラギラしていてどこか違う世界の人だと感じてしまうのです。

そういう違う世界の人が違う世界へ誘うために書いた本から学ぶこともあるのですが、どこか距離を感じてしまうところがありまして。(違う世界は僕が感じているよりもずっと近い世界なのでしょうけど)

プロゲーマーの社会的地位は未だ確立されているとは言い難いですし、ウメハラは新宿に行けば会えますし、先の人よりはまだ一般市民である自分に近いなと感じるのです。プロゲーマーにかなり失礼な話ではありますが。

それから、昔のウメハラの、少し斜に構えた感じも非常に共感が持てるんですよね。本書で語られる、喜びは60くらいがちょうどいいというスタンスもギラギラしすぎてなく、個人的にも非常に適度だなと思えますし。細かいことはいいから読んでください、ホント!

それでは最後に例の動画を。

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梅原 大吾

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