ゲインオーバー

MUGA, I am.

『JORGE JOESTAR』を読みました

JORGE JOESTARJORGE JOESTAR
舞城 王太郎,荒木 飛呂彦

集英社
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25周年絡みでジョジョ小説、VSJOJOシリーズ3部作として最後に登場したのがこの舞城王太郎の『JORGE JOESTER』。

発売直後に買ったのですが、一気に読み進めることができなくてちまちまと読んでいたので、1ヶ月近くかかってしまいました。

というわけで感想を。

ジョージ・ジョースターのチョイスはいいね!

さて、タイトルのジョージ・ジョースターは1部主人公のジョナサンの息子で、2部主人公のジョセフの父親です。

単行本の前巻のあらすじの隣に描いてあるジョースター家のルーツという項目に「ジョージ・Ⅱ世」として登場するだけで、空軍パイロット、波紋を使えなかった、ゾンビ化した空軍司令官に殺害されたなどの断片的な情報しかコミックスでは紹介されていません。

そんな、ジョージ・ジョースターにフィーチャーしたのが本作で、良い所に目をつけたなあという感じです。

VSJOJOはパープル・ヘイズ、ディオと来てますから最後にジョージ・ジョースターっていうのは予想外でしたし渋いですよねえ。

壮大なパラレルストーリー

1904年のジョージ・ジョースターと2012年のジョージ・ジョースターの物語が交互に進行していき途中で世界が交錯し最終的にドえらい展開になっていきます。

1904年のジョージ・ジョースターは上に書いた「ジョージⅡ世」で、幼い時にカナリア島で奇妙な事件に巻き込まれ、大きくなってイギリスに移ってから飛行機乗りになって上に書いた死へと向かっていきます。

一方の2012年のジョージ・ジョースターは名探偵として日本、福井で活躍しているのですが、ひょんんことから杜王町に行き杜王町が動き出すという前代未聞の事件に巻き込まれてしまいます。

もう後は読んで!ってくらい話を説明すると面白くなくなってしまうのでぜひぜひお手にとってみてください。

感想

良くも悪くも読み応えがあるなあというのが第一印象で、普段小説を読む習慣がないので疲れつつ読んだ部分もありますし、読んでいる最中はなかなか楽しかったのも確かです。

メタ的な小説というのも経験がないもので、「これはどこまでアリなんだ?」と気にしながら読んでいました。

パラレルワールドということで、今までのジョジョに出てきたキャラクターや設定が入り乱れてきてですね、クライマックスに行くに連れてある意味トンデモな展開になるんですが、最後のほうのごちゃまぜ感は個人的には好きです。

ジョジョの公式な話だとしたら、「こんなの違う!」とアレルギー反応を示す人が多いのも分からなくはないですが、あくまでジョジョをモチーフにした創作と捉えるならパラレルワールドでぎゅうぎゅうにジョジョを詰め込んだ作品も悪くないと思います。

なので、是非頭空っぽのまま夢詰め込んで読みましょう。