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『臆病者のための株入門』は株を始めたい人にオススメ

臆病者のための株入門 (文春新書)臆病者のための株入門 (文春新書)
橘 玲

文藝春秋
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株のことってきちんと勉強したことがなかったので、ネットで調べて株の入門書とオススメと紹介されていた、橘玲『臆病者のための株入門』を読みました。

株式投資とはゲームである

株取引は経験したことあるもののほとんど素人の僕からすると、まず株の印象って投資というより投機に近くて、ギャンブル的に儲ける側面を強く感じていました。つまりあんまり良い思いをしていないってことです笑

本書でも説明されていますが、株で話題になるのってジェイコム株大量誤発注事件B・N・F氏やホリエモンライブドア事件のようにスケールも金額も大きな事柄の印象が強かったんですよね。

週刊SPAとかで特集が組まれているような財テク側面での株投資もちょっと胡散臭いように感じてしまっていて。

しかし、本書では株式投資に関して、B・N・F氏やホリエモンライブドア事件も含めて素人でも分かるように解説してくれています。

株式投資というゲームについて

まず、B・N・F氏の件については複利やレバレッジによって大幅に儲けること(損すること)が可能であることが丁寧に書かれています。

ホリエモンライブドア事件では、ルールの不備と言っても良いのかもしれませんが、市場の歪みを通じて儲けることに成功したということが解説されています。

こうした具体的な事例に加えて、株式投資の基本的な考えも紹介されていて投資家の仕事は損をすることと書かれていたのには驚きました。

投資家は儲けるのが仕事だろうと思ってましたが、ゼロサムゲームの側面がある(経済が成長するからゼロサムではないという解釈もあるようですが、短期の個別の株価の動きに関して言えば損得がはっきり両立しています)株式投資で、儲けるのは損をすることと隣り合わせでもあり、株を買うことはリスクをも引き受けることだそうです。

経済学的に正しい投資法はすごいのか

本書で導き出される、経済学的に正しい投資法として、東証やNY市場など世界の証券市場のインデックスファンドに、その比率(アメリカ50%、日本・ロンドンが15%など)に応じて投資する方法が挙げられています。

読んだ直後はなるほどこれで勝てるのかとも思いましたが、これである程度の利益を出すためにはもの凄い金額、長い期間投資しないとならないと思うので、実現可能性的にはどうなんだろうと疑問の余地が残るのかと。

そして何より、本書の最後で筆者は「ここで述べたような『合理的な投資法』を実践しているわけではない」と述べていて、その効果は実証されていないようです。

その他、トレーディングや個別株長期投資についても理屈が説明されていて、それぞれが相対しながらもそれぞれの理論を持っていることが分かります。

俯瞰的な視点から、株の基礎的な部分を教えてくれてる本書ですが、具体的なテクニック等を薦めるものではありません。

そこに注意は必要ですが、自分で資産を守るために株、投資を始めようかなと思った人は株がどのようなものなのかを知るために必読と言える内容だと思います。

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