ゲインオーバー

MUGA, I am.

読みました / 反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

年始にKindleでセールをやっていた時に買ってとりあえずKindleに突っ込んでおいたものの、「仏教よく分からないしなあ」「宗教臭いなあ」と思って放置していました。ですが、読んでみると決して押し付けがましくなく、自己啓発書よりもマシな、仏教を用いた心の平穏へのガイドでした。

目指すゴールは「最高の納得」

ブッダが教えるのは、現実を「変える」ことではありません。「闘う」ことでもありません。現実は続く。人生は続いていく。そうした日々の中にあって、せめて自分の中に苦しみを増やさない、「納得できる」行き方を仕様――そう考えるのです。

仏教も色々な宗派があるのでこの解釈が一意に正しくはないかもしれません。でも、漠然と仏教は無私無欲を説いて、日々を穏やかに過ごすものだという思い込みがあったので、納得を求めるというのを知って驚きでした。

苦悩や苦労から自由になることをゴールに据えるために、自分の外側にある現実を変えるのではなく、自分の内面の捉え方を変えて苦しみを増やさないようにしようという発想なのだそうです。現実は変わらないし、変えるとしても労力や時間がかかるから、自分を変えていこうと発想するのは、論理的だと思えます。

働き方の変化や高齢化で社会構造が変わるなど、個人では抗いようのない現実の変化がある中で、そうしたことにストレスを感じて不安になるくらいなら、自分の内側を変えていこうとするのはごく自然なことで、現代の多くの人にもヒントになるのかなと思いました。ひょっとしたら日本でも宗教がより一層流行るのかななんて。

それから、つい行いがちな他人との比較を否定し、無用だと説いています。比較は、自分の価値を確認するための承認欲求から始まる、妄想という「ヒマつぶし」をしているにすぎないと断言。その妄想で時間を無為にしないために、今の仕事・生活を改善する、自分のモノゴトに集中する、自分で納得できることを指針にするという3つの努力が推奨されています。正論でぐうの音も出ません。確かに、他人と比較したくなるのも自分の生活や現在に納得が言ってないからだもんなと。

しかし、その一方でお金を稼ぐことや人より上に立ちたいと言った気持ちが強く、それを実現することで快を感じられるのならそれもありだと書いてあり、仏教の柔軟性が表れています。こうしないとダメだと生き方を強いないのですっと入ってきやすいのかもしれません。自分の今の生活に納得がいっていない、それで悩んでいる人は読んでみると発見があるかも。

ところで、ジョジョSBRジャイロ・ツェペリが納得したいと叫んでいたセリフを思い出しました。意味するところは全く異なりますが、近頃心から納得したことあったかなあ。

オレは『納得』したいだけだ! 『納得』は全てに優先するぜッ!! でないとオレは『前』へ進めねぇッ! 『どこへ』も!『未来』への道も!探す事は出来ねえッ!!